政権移行チームのジェイスン・ミラー報道担当は8日、「パズダー氏はトランプ氏の経済メッセージのすばらしい擁護者であり、雇用を創出して経済がすべての人のために進むうえで私たちが何をすべきかを知っている人だ」と人選の背景を明らかにした。
しかし、パズダー氏は、オバマ大統領の代表的な労働政策である最低賃金の引き上げと超過勤務手当ての適用対象の拡大に反対しており、労働者の権益増大に努める労働長官とは程遠いという指摘が出ている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「現行の時給7.5ドルの最低賃金を多くても9ドル以下に縛らなければならないというのがパズダー氏の考えだ」と紹介した。CNNは、パズダー氏を「(労働者が望む)最低賃金時給15ドルの敵」と呼んだ。大統領選では民主党のヒラリー・クリントン氏が時給15ドルの引き上げを提示し、トランプ氏は初期には引き上げに反対し、後に小幅の引き上げに旋回した。
オバマ大統領は、最低賃金引き上げ法案が議会で共和党の反対で失敗に終わると、2014年1月、連邦政府と契約するすべての企業に勤める労働者に対しては最低賃金を10.10ドルに引き上げる行政命令を発動した。当時、パズダー氏はメディアとのインタビューで、「オバマ政府が規制を強化してフランチャイズモデルを攻撃し、かえって雇用が減った。技術コストはますます安くなるのに、政府は人件費の引き上げを義務づけた」と批判した。
워싱턴=이승헌 ワシントン=イ・スンホン特派員 특파원ddr@donga.com