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[オピニオン]履歴書に写真禁止

Posted November. 30, 2016 09:07,   

Updated November. 30, 2016 09:20

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ビフォー(before)やアフター(after)写真は、整形外科の広告にだけ登場するものではない。最近は、写真館も履歴書写真のPRのため、ビフォーとアフター写真を活用している。整形に匹敵するほどコンピューター補正作業を施した写真と、施さなかった写真とを並んで比較するやり方だ。修正後の写真を見れば、男女共に顔は完璧な対称型であり、あごはシャープな形となっている。

◆テレビを通して、「ヌェセクナム(脳がセクシーな男)と知られている米国人タイラー・ラッシュが、放送の中で我々の履歴書慣行を皮肉ったことがある。韓国でインターンを志願した時、履歴書写真を求められて戸惑ったという経験談だ。米国では、就職前に性別や年齢、人種、容姿などによる差別が起こるという理由から、履歴書に写真を張らせない。

◆雇用絶壁に追い込まれた韓国就活者たちは、実力やスペックはもとより、入社願書の写真にまで力を入れている。容姿を重視する風土では、写真も競争力だと信じているからだ。とあるオンライン就職ポータルが、求職者482人を対象に、「履歴書写真が書類合格に影響を及ぼすスペックだと思いますか」と尋ねた時、10人中8人が「そう思う」と答えた理由だ。就活者を狙って、写真館も「撮影よりは補正」を叫びながら、ヘアやメーキャップを含めた10万ウォン台以上のパッケージ商品を出している。本来の姿が分かりづらいほど、よく補正された写真をつけるのが、どんな意味を持つのか知らない。面接評価に参加した経験から言えば、実物と写真とがあまりにもかけ離れていれば、かえって信頼感が落ちて逆効果である。

◆企業採用願書に写真付着を禁じ、身体条件や両親の財産を巡る情報要求をさせない「採用手続きの公正化に関する法律」の改正案が、国会環境労働委員会で一昨日可決された。本会議での議決と公布を経れば、3か月後から適用される。写真付着禁止について、韓国経営者総協会は、「身元確認が難しく、公正採用のネックになりかねない」と指摘したが、行き過ぎた懸念のような気がする。ただ、面接で実物の確認ができるので、履歴書に写真を張らないことだけで差別がなくなるわけではない。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com