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[社説]中国の違法漁船にじゅうりんされた韓国の公権力

[社説]中国の違法漁船にじゅうりんされた韓国の公権力

Posted October. 10, 2016 10:25,   

Updated October. 10, 2016 10:25

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7日の午後、仁川市甕津郡小青島(インチョンシ・オンジングン・ソチョンド)の南西76キロの海上で中国漁船40隻余りが違法操業をして、取り締まりに駆けつけた海洋警備安全本部(海警)の高速短艇に故意にぶつけて沈没させて逃走した。当時、海洋隊員8人が100トン級の中国漁船に乗り込み、切断機で鉄門をこじ開けようとすると、隊員たちが乗っていた高速短艇1号機の側面を、別の中国漁船がぶつけ、一人で短艇を守っていた艇長は沈没直前に海に飛び込んだ。海警は、自衛的措置として小銃とピストルの実弾を数十発撃ったが、中国漁船はそんまま逃走した。

海洋警備安全本部は、中国漁船の行為が殺人未遂にあたるとして、9日、駐韓中国大使館の総領事を呼んで抗議した。海賊並みの武装をした中国漁船たちが韓国の排他的経済水域(EEZ)を侵犯し、違法漁労をしながら、取り締まりを受けるる手斧や刃物、竹やりなどで激しく抵抗することが頻発している。2011年12月には、海警のイ・チョンホ警査が取り締まりに応じない中国人漁師が振るう凶器に刺されて死亡したこともある。韓国政府は中国側に違法操業の取り締まりを何度も要請してきたが、何も変わっていない。中国が韓中関係を重視するのなら、逃走した漁船を探して厳罰するべきだ。

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が2014年にセウォル号沈没後、海洋警察に責任を問う形で解体し、国民安全処海洋警備安全本部に編入されてから、中国漁船の違法操業への対応が弱くなったと指摘する声が多い。今回も4.5トン級の高速短艇2隻で組織的に抵抗する中国漁船を取り締まろうとしたこと自体、無理があった一面がある。人員や装備の不足で拿捕よりは追い払うのに汲々としているのだから、中国漁船が我々の海に勝手に出入りして荒らしている。

今回の事件も、国民安全処が海警に「外部に公開してはならない」としてメディアへの発表を一日以上止めたという報道もある。中国の顔色を伺って卑屈に振る舞うようでは、中国も自国漁船の違法行為を敢えて止める理由がなくなる。漁民たちは、北朝鮮との衝突を恐れて西海の北方境界線(NLL)付近での操業を規制され、中国漁船の違法なかっさらい操業を見守らなければならないのが実情だ。私たちの海で正当な主権を行使できず、中国漁船に愚ろうされる海警を見届ける国民は怒りが込みあげる。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com