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[社説]オバマ大統領、金正恩の核完成を後任者に引き渡すのか

[社説]オバマ大統領、金正恩の核完成を後任者に引き渡すのか

Posted September. 12, 2016 08:31,   

Updated September. 12, 2016 09:08

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米国のオバマ大統領は9日(現地時間)、アジア歴訪を終えて声明を発表し、北朝鮮の5回目の核実験を受けて、「新しい制裁など重大な追加措置を取ることで韓国、日本の首脳と合意した」と明らかにした。2009年の2回目の核実験から今回まで任期中に4回の核実験が起こり、その度に北朝鮮を非難して国連安全保障理事会の対北朝鮮声明と制裁決議の採択を主導したこれまでのパターンと違いはない。このような形なら、結果的にオバマ大統領は北朝鮮の核能力の高度化を阻止できなかった大統領として歴史に残る可能性が高い。

オバマ大統領の北朝鮮政策である「戦略的忍耐」は、北朝鮮が核とミサイルに関して先に態度を変えなければ協議しないというのが骨子だ。オバマ大統領は、就任から約2ヵ月後の2009年4月に北朝鮮が長距離ミサイル「光明星2号」を発射し、5月に2回目の核実験を断行すると、「戦略的忍耐」という名で北朝鮮を後回しにした。2012年2月29日に北朝鮮の核活動中止と北朝鮮への食糧提供を結びつけた合意をしたが、北朝鮮が同年4月に長距離ミサイル「光明星3号」を発射したことで、それすら実現しなかった。

最近、米紙ニューヨーク・タイムズが、「制裁を越えて恒久的な解決策はいかなる形であれ交渉を要求する」と主張したが、交渉は北朝鮮が制裁を避けて核開発を完成する時間を与えるだけだ。国連制裁の効果がなかったことも、北朝鮮が崩壊しないよう中国が毎度つっかい棒役をしたためだ。今回も、国連安全保障理事会が4回目の核実験後に採択した北朝鮮制裁2270号の溝を埋める「追加の重大措置」の準備に入ったが、中国のため懐疑的な見方が多い。

中国の習近平国家主席と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の考えを変えるには、オバマ大統領がこの機に北朝鮮の核問題を抜本的に解決するという決然たる意志を実践に移さなければならない。厄介だからと韓半島情勢を適当に扱って11月の大統領選で選出される後任者に引き渡す考えはしてはならない。ノーベル委員会は2009年、ノーベル平和賞受賞者にオバマ大統領を選び、「核兵器のない世界に向かうビジョンに特に注目した」と明らかにした。オバマ大統領がイラン核問題を交渉で妥結させたとしても、はるかに危険な北朝鮮の核を放置するなら、平和賞の意味も半減するだろう。

 

北朝鮮が行きつくところまで核武力を強化するという状況では、米国が韓国に核の傘を提供するだけでは十分でない。韓国では非現実的な核武装論が大きくなっている。北朝鮮の金正恩委員長をそのままにしては核問題は決して解決できないことが明らかになったため、今や韓半島統一まで念頭に置いて分断の矛盾と核問題の歴史的解決に乗り出すことは避けられない。北朝鮮にやられっぱなしのオバマ大統領が断固たる決断を下し、後任の政府でも揺るぎなく施行する対策が切実だ。そのような大きな絵を描いて、米国が韓国、日本と共に北東アジアの平和を守護することを期待する。



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com