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[オピニオン]面接官を評価する求職者たち

[オピニオン]面接官を評価する求職者たち

Posted July. 08, 2016 08:44,   

Updated July. 08, 2016 09:32

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「体が縮まってミキサーに閉じ込められれば、どのように抜け出すつもりか」。グローバル金融会社「ゴールドマンサックス」の面接に登場した質問は、仏教の禅問答を思わせる。「飛行機が墜落した時、生存者が自分一人なら何をしますか」(エアビーアンドビー)、「衛星写真を使って、この建物の外の1平方メートル内に、葉っぱは何個ぐらいあるか応えてください」(マイクロソフト)なども、難解な面接質問に属する。外国企業の面接から出てくる定番の質問もある。「これまで生きてきた人生の中で、どのような難関を経験し、それをどう克服してきたのか」、「なぜ、あなたを雇うべきだと思うのか」…。

◆公開採用システムを採用している韓国企業は、とんでもない質問で求職者の言葉を詰まらせる事例が少なくない。父親の年収を尋ねる「プライバシー侵害型」から、わずか3分間の面接を行ったり、企業PRのみ並べ立てるケースもある。女性差別や容姿卑下も日常茶飯事。「男性には専攻のことを聞くのに、私には、『いつ結婚するつもりか?』などの質問ばかりした」、「顔を見るなり、ぞんざいな言葉で、『ジャングルの中でも生き残りそうな容姿なのに、性格は神経質なのでは?』と聞かれた」

◆求職者を苦しませるのは、過度な待ち時間、一方的な日程通知やキャンセルも含まれている。昨日、大統領直属青年委員会と青年希望財団、「2030政策参加団」が面接経験者1068人を対象に行った深層調査で、64.8%が面接過程で不快な思いをしたと答えた。圧迫面接に打ち勝ち、「合格の携帯メール」まで届いたのに、リスト発送上のミスだとキャンセルされた事例もあった。調査によると、求職者らは面接技術(43.3%)に最も負担を感じていた。これを受け、青年希望財団は7月から、面接コンサルティングを実施する。

◆ところで求職者より、企業面接官を対象にした面接コンサルティングの方がより急務ではないかという気がする。最高の職員を選ぶための良い質問の代わりに、変な質問で求職者を泣かせる面接官に、尊重や思いやりを教える教育のことである。最近は、よくない面接官の事例がソーシャルネットワークサービス(SNS)に乗って広がり、会社にも大きな損失を及ぼしている。面接のパワハラは、ただでさえ弱者である求職者の気持ちをなおさら萎縮させる。雇用提供まではいかなくても、若者たちのやる気までそぐことがあってはならない。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com