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[社説]米国で17兆ウォンを補償したVW、韓国では100億ウォンで済ませるのか

[社説]米国で17兆ウォンを補償したVW、韓国では100億ウォンで済ませるのか

Posted June. 30, 2016 08:27,   

Updated June. 30, 2016 09:10

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環境部からディーゼル排出ガスのデータ捏造判定を受けたフォルクスワーゲン(VW)が29日、韓国では賠償計画がないとし、100億ウォン規模の社会貢献基金を出す計画を明らかにした。28日(現地時間)、米国でフォルクスワーゲンのディーゼル車の所有者47万5000人に対して1人当たり5000~1万ドル(約600万~1200万ウォン)、計147億ドル(17兆ウォン)を支給する民事事件補償案を発表したことと比較すればわずかな金額だ。アウディ・フォルクスワーゲン・コリアは、「米国だけで法的に任意設定(捏造)が問題になった。韓国と欧州では法的に任意設定に該当しない」と理由を明らかにした。道義的責任は感じるが法的には問題なく、賠償の必要はないという主張だ。

実際に国内法上、任意設定の規定が導入された時点は2012年1月。環境部は昨年末、国内のフォルクスワーゲン車両12万台に対する調査の結果、排出ガスのデータ捏造が確認されたと発表した。しかし、フォルクスワーゲンは問題になったエンジン装着の車両が2007年12月~2011年12月に環境部から認証を受けたものなので、規制の対象ではないと対抗している。今、環境部が問題にしているのは、排出ガス関連部品の設計を故意に変え、捏造する行為を禁じる大気環境保全法46条などに違反し、認証告示を取り上げることは問題のすり替えだ。今でも12万台の車両が微細粉塵の原因である窒素酸化物を吹き出し、韓国の道路を走っているのに、フォルクスワーゲンは何の「社会貢献」基金を出すというのか、傍若無人な態度と言わざるを得ない。

検察は、フォルクスワーゲンのこのような「抜け殻」対策を「補償」と包装して混乱を加重させた。検察が、フォルクスワーゲンの社会貢献基金100億ウォンを適切な補償と認定したなら、国民感情を全く理解していない。このような状態でアウディ・フォルクスワーゲン・コリアの捜査を継続したからといって何の意味があるのか。

しかも、検察捜査で、燃費試験成績書の偽造、未認証部品の装着車両販売といった不法行為も明らかになった。にもかかわらずフォルクスワーゲンが不法行為に対するリコールすらしないのは、韓国を軽く見て韓国の消費者を恐れない傲慢な態度だ。環境部がリコール計画書にフォルクスワーゲンの捏造を認めさせることに失敗し、韓国消費者が賠償を受けられないのなら、誰に責任を問うべきか、環境部と検察は答えなければならない。