Go to contents

[社説]専門性を活かせなければ全国比例代表を選ぶ必要があるのか

[社説]専門性を活かせなければ全国比例代表を選ぶ必要があるのか

Posted June. 16, 2016 07:30,   

Updated June. 16, 2016 07:39

한국어

国民の党の金秀玟(キム・スミン)議員関連の疑惑は4月の総選挙で広報関連業務をしながら業者から不法政治資金を受け取ったかどうかが核心内容だ。昨日、同党の李相敦(イ・サンドン)真相調査団長は、「党に入ったカネはない」とし、党絡みのリベート疑惑を否定する中間調査結果を発表した。しかし、実態的真実は、検察の捜査結果が出たところで判明するだろう。これとは別に、大学時代にデザインのベンチャー企業を起こしたのが経歴の全てである30歳の金議員が、全国比例代表候補の7番をもらったのは疑問だ。本人が公認候補を申請してもいないのに比例代表リスト発表当日の未明に決まったことも常識的ではない。

比例代表は、脆弱階層の代弁者や各界の専門家を国会に入れることで立法における専門性を補うというのが本来の趣旨だ。問題は金議員のように、比例代表の選出過程が不透明なため、事あるごとにトラブルが起きていることだ。共に民主党も、4月の総選挙で比例代表候補の公認候補決定を巡って金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員会代表と党の主流派である親盧系(盧武鉉氏系)が対立し、一時は党が危機的状況に追い込まれた。解散された統合進歩党は2012年の総選挙で、比例代表選び選挙で不正があったことが発覚し、党が分裂し、結局は政党解散の原因の一つになった。過去の比例代表は、公認候補に決めてもらう見返りで巨額が取り交わされる不法献金の温床でもあった。

今国会では専門性を考慮して選出した比例代表議員を、持ち前の専門性とは全く関連性のない常任委員会に配置することまで起きた。正義党の秋恵仙(チュ・ヘソン)議員はメディア関連の市民団体で活躍した経歴で比例代表議員になったが、メディアを扱う未来創造科学放送通信委員会ではなく、外交統一委員会に配置されると、抗議の意味で座り込みを始めた。経営学者のセヌリ党の金鍾奭(キム・ジョンソク)議員が外交統一委員会に、元食品医薬品安全庁長のセヌリ党の金承禧(キム・スンヒ)議員が安全行政委員会に、国防関係の仕事には関わったことのない共に民主党の李哲煕(イ・チョルヒ)議員が国防委員会に配置されたのも呆れる。「サッカー選手をバスケットボールコートに入れたようなものだ」と言った秋美愛(チュ・ミエ)議員の言葉通り、コメディであるだけでなく税金の無駄遣いだ。

比例代表議員は、事実上自分を国会議員に「任命」してくれた党代表など執行部に忠誠を尽くすほかない。次回総選挙で地方区の公認候補を勝ち取るためには、党の実力者にコネを作ったり、党のために貢献したことをアピールするために目立つ言動をして問題を起こすこともある。野党は、そういう比例代表をさらに増やそうと、総選挙50日前まで選挙区画定の足を引っ張った。選定過程で多くの問題を露呈している上、専門性も活かせない比例代表なら、この際なくした方が増した。



이진녕 イ・ジンニョン記者 jinnyong@donga.com