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[社説]マニュアル順守が明暗を分けた済州空港のトラブルと盆唐商店街の火災

[社説]マニュアル順守が明暗を分けた済州空港のトラブルと盆唐商店街の火災

Posted December. 15, 2015 07:24,   

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12日に起きた済州(チェジュ)空港管制施設の通信トラブルと関連して、政府が原因究明のため、イスラエルの通信設備メーカーとその輸入メーカーの調査に乗り出した。当時、空港通信システムの主装置と予備装置が、午後6時50分から7時40分までの76分間、完全に故障し、航空機20機あまりが管制塔の支援なしに、空港案内などの光や無線機形態の非常送受信機の誘導を受けて着陸し、合わせて77便の運航が遅れる未曾有の事態が起きた。韓国人や中国人観光客など、年間2500万人が利用する空港で、ややもすれば大規模な安全事故が起きるところだった。

空港に近づいた航空機と交信を交わす管制塔の通信システムは、主装置が故障すれば、予備装置に切り替えなければならないが、自動切り替え機能が働かず、その上勤務者らは手動で切り替える方法を知らなかった。全て同じ周波数を使っているので、主装置の電源を切ってこそ、電波干渉無しに予備装置を運用できるのに、勤務者らはそれさえ知らなかったという。マニュアルにそのような内容が書かれているのに、勤務者らが熟知していなかったとは、なおさらあきれるばかりだ。このような管制塔を信じて、飛行機の離着陸が行われていたとは、これまで大事故がなかったことは非常に幸運であった。

済州空港は、格安航空会社の就航などで利用客が急増し、2018年は完全に頭打ち状態になる見通しだ。政府は、済州新空港建設計画を明らかにしたが、2024年に完成するまでは、負荷がかからざるを得ない。国土部が345億ウォンを投入して、昨年、国内技術で開発に成功したと明らかにした航空管制システムは、監査院の監査で商用化が不可能な、使い物にならないシステムであることが明らかになった。国内空港にこのシステムを使っているところがないとはいえ、これを機に、現在の管制システムや空港関係者らの勤務体制に問題はないか、細かく確認し、補完する必要がある。

11日、京畿道城南市盆唐区(キョンギド・ソンナムシ・ブンダンク)の入試塾周辺の商店街で起きたオフィステルの火災は、非常階段に設置されている二重防火扉がその機能を果たした上、塾の講師らが250人余りの生徒たちを、火災避難マニュアルに沿って落ち着いて避難させて、一人の人命被害も起きなかった。年明けに起きた火災で死亡した義政府(イジョンブ)のマンション構造と似ていたのに、非常時のマニュアルを守ったことで、惨事を防ぐことができた。マニュアル順守が分けた、済州と盆唐との違いを、韓国社会は深く肝に銘じなければならない。