Go to contents

[社説]金正恩の「水素爆弾保有」発言、速断してはいけない

[社説]金正恩の「水素爆弾保有」発言、速断してはいけない

Posted December. 12, 2015 07:28,   

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が、「(金日成主席のおかげで)我が祖国は自衛の核弾、水素弾の巨大な爆音をとどろかせることができる強大な核保有国になることができた」と述べたと、北朝鮮の朝鮮中央通信が10日付で報じた。金第1書記が水素爆弾を公に言及したのは初めてだ。爆発力が原子爆弾の何百倍にもなる水素爆弾を北朝鮮が保有しているなら、北朝鮮の核の脅威はこれまでとは次元が異なる。金第1書記が最近改善・補修を終えた平壌(ピョンヤン)兵器工場の平川(ピョンチョン)革命史跡を視察してこのような発言したが、南北当局者会談の前日に北朝鮮通信が報道した意図が気になる。

米ホワイトハウスは、「これまで得た情報では非常に疑わしい」としつつも「核兵器を開発している北朝鮮がもたらす危険と脅威を深刻に受け止めている」と論評した。米国の一部の専門家たちは、水素爆弾の製造に使われる物質を既存核爆弾の爆発力を増やすことに利用すると見ている。一方、韓国情報当局は、「北朝鮮は水素爆弾の製造技術力を備えていないと判断する」とし、「調査的な意味が大きい」と低く評価した。北朝鮮の核開発の動向を米国の情報にかなり依存している状況で、政府が速断しているのではないか憂慮される。

北朝鮮は2010年5月、「ついに核融合反応に成功した」と主張した。通常、核保有国が原爆に続き水素爆弾を開発するのに3〜5年かかるので、北朝鮮だからといってその水準に達しないと断言することはできない。過剰反応する必要はないが、過小評価も困る。一部では、米国が北朝鮮の平和交渉提案を一蹴して戦略ロケットを制裁対象に含めたため、北朝鮮が政策転換を引き出そうと水素爆弾発言をしたという分析も出ている。進化する北朝鮮の核の脅威に対処するには、核の傘を提供する米国との協力を一層強化しなければならない。

11日、開城(ケソン)で開かれた南北当局会談に韓国側からは黄富起(ファン・ブギ)統一部次官が代表に出たが、北朝鮮からは職級の低い田鍾秀(チョン・ジョンス)祖国平和統一委員会副書記局長が出てきた。金剛山(クムガンサン)観光の再開を求めながら、北朝鮮が自尊心を前に出してくることは以前と変わらない。南北が8・25合意を履行して対話することは肯定的だが、北朝鮮の実体を直視してこそ、常に失敗に終わった過去の南北対話の前轍を踏まないだろう。