Go to contents

道峰書院の復元、時ならぬ「儒教と仏教との対立」

道峰書院の復元、時ならぬ「儒教と仏教との対立」

Posted November. 18, 2015 07:17,   

한국어

書院の跡地を掘ったところ、国宝級仏教遺物が次々と出てきた。3年前、ソウル道峰区(トボング)の道峰山の裾野で行われた道峰書院跡地の発掘状況だ。当時は遺物77点が発掘された。12世紀以前の作品とみられる仏教遺物のうち、とりわけ目を引いたのは金剛鈴(クムガンリョン、仏教儀式に使われる金銅製の鈴)。学界では、最高の仏教遺物の一つと評価した。ところがこれらの傑作による現代版の「儒仏対立」が再現されている。書院を再建しようとする儒林らの動きに、仏教界が強く反発している。

17日、ソウル市と道峰区などによると、道峰書院の跡地から仏教遺物が大量に出てきたことには「悲しい歴史」が隠れている。高麗(コリョ)時代まで、この場所にはもともと寧國寺(ヨングクサ)というお寺があった。ところが朝鮮時代にそのお寺は廃寺された。その代わり1573年(宣祖6年)、士林の巨頭とも言われている靜庵・趙光祖(チョ・グァンジョ、1482〜1519)を祭る道峰書院が建設された。3年前に発掘された仏教遺物は全て、この書院の建物の礎の下に埋められた香炉の中から出てきた。学界ではこれを巡り「朝鮮の強力な『崇儒抑佛』政策を象徴するものだ」と受け止めている。このように仏教遺物が儒教遺跡から大量に出土されたのは、大変異例のことだ。

当時道峰区は、地元の儒林たちに道峰書院の再建を約束後、発掘調査を開始した。しかし仏教遺物が発掘されたというニュースに接した曹溪宗(チョゲジョン)などの仏教界が、書院再建反対に乗り出した。曹溪宗は8月に道峰区に送った公文の中で「道峰書院は寧國寺の跡地であり、朝鮮時代の仏教弾圧を示す象徴だ」としながら「再建を全面的に見直すべきだ」と主張した。書院再建の権限を持っているソウル市もすでに「国宝級仏教遺構が見つかり、直ちに復元を推進するのは難しい」という立場を明らかにしている。

問題は、道峰区が8月「道峰書院の復元事業再推進計画」を急いで発表したことだ。ソウル市の予算45億ウォンも必要だが、いざソウル市とはこれといった意見調整もせず、計画が立てられた。道峰区文化体育課のキム・サング課長は「週に何度も儒林たちが訪れてきて、書院再建を要求するほど地元では熱望の高い事業だ」と強調した。しかしソウル市歴史文化財課長は「儒教の肩だけを持って書院を再建築するには、仏教界の反発も無視できない」と明らかにした。

ソウル市は現在進めている道峰書院遺跡の「歴史性樹立」のための外部委託(7000万ウォン)の結果が出てきたら、解決策について検討する方針だ。



irontiger@donga.com