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[社説]ジャンク債に墜落したブラジル国債、購入を勧めた金融会社に責任はないか

[社説]ジャンク債に墜落したブラジル国債、購入を勧めた金融会社に責任はないか

Posted September. 14, 2015 07:12,   

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2000年代前半や半ばごろ、世界経済を牽引してきた新興経済諸国ブリックス(ブラジル・ロシア・インド、中国)のうち、ブラジル経済が揺れている。国際格付け会社スタンダードアンドプアーズ(S&P)が、財政収支の悪化や経済成長率の下落、政治的混乱などを理由に10日、ブラジル国債の格付けを投機等級のBB+に引き下げた後、グローバル金融市場での影響が広がっている。急激なブラジルレアル安や債券価格が急落し、ブラジル市場からの外国人資本離脱にも拍車がかかっている。中国の金融や実体経済が揺れる「チャイナリスク」に続き、ブラジル発悪材料まで加わり、新興経済諸国全体への不安が広がり、韓国金融市場も不安定性も高まっている。

2011年に就任した労働党政府の左派のジルマ・ルセフ大統領は、放漫な公共部門を減らすどころか、公共投資を大幅に増やす財政政策を展開し、ブラジル国内総生産(GDP)比公共部門の負債比率は63%へと高まった。実質経済成長率の予測値は、今年はマイナス2.5%、来年はマイナス0.5%と、2年連続して後退するものとみられる。泣き面に蜂かのように、国際原材料価格の下落は、原材料輸出の割合の高いブラジル経済の苦痛にさらに輪をかけている。

韓国で売れたブラジル債券が6兆ウォンに迫っているなか、このうち90%は個人投資家らが保有しているものとみられる。国内証券会社と資産運用会社などの複数の金融会社は数年前から、ブラジル国債に投資すれば、年10%台の収益率が期待できると主張し、低金利傾向に失望した投資家らを引きずり込んだ。しかし、ブラジルファンドの年明けからの収益率はマイナス30%に達し、急激なレアル安による為替差損まで考慮すれば、元金の半分以上を損した投資家らがごまんといる。ブラジル国債が今回、投資不適格債(ジャンクボンド)に墜落し、損失はさらに膨らむだろう。

投資家らや金融会社ともに高収益にはそれだけ高いリスクが伴うという教訓を忘れ、ブラジル国債投資に我先に飛び込んだのは、わが韓国金融の後進性を改めに浮き彫りにした。金融投資の基本原則は「自己責任」であるだけに、金融会社の投資勧誘に違法がなければ、法的責任を問うのは難しいだろうが、金融会社の投資誘致過程で、一部不適切な行動があったという声も出ている。金融当局は、金融会社各社が手数料獲得に追われて、ブラジル国債投資の期待感のみふくらませ、危険性を伝えることをないがしろにした事例はなかったのか、徹底的に調査しなければならない。