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ショスタコーヴィチが皮肉った「野蛮人」スターリン

ショスタコーヴィチが皮肉った「野蛮人」スターリン

Posted November. 18, 2014 10:09,   

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高速インターネットの世界は、様々な可能性と利便性を与えた。音楽の文献を見て気になる作品が出てくれば、レコードを持っていなくても、検索して聞くことができる。

数年前、ショスタコーヴィチがプーシキンの詩に曲をつけた「復活」という歌曲を聞いてみたいと思ったが、レコードが見つからなかった。インターネットで「rebirth」という検索語で動画を探すと、すぐに曲が流れた。歌詞も探してみた。

「野蛮人の絵描きが夢うつつで筆を動かし/天才の描いた絵を塗りたくって(…)/だが異質の絵の具は年月が経って/古びた鱗のように剥がれ落ち/天才の創造物はわれわれの前に(…)」。私がなぜこの曲を探したのか。旧ソ連の独裁者スターリンは1936年、ショスタコーヴィチの歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を観覧中に立ち上がって出て行ってしまった。実験性を追求した音楽、退廃的な内容、さらに「毒殺」シーンがスターリンを怒らせた。

官営日刊紙「プラウダ」に辛らつな論説が掲載された。この作品が「ブルジョア的で混沌そのもの」とし、社会主義芸術家はこのような放縦を警戒しなければならないと主張した。作曲家の運命が危ぶまれた。

翌年の1937年、ショスタコーヴィチは最後の4楽章が勝利の行進のような交響曲5番を発表した。30分間、アンコールが鳴り止まず、官営メディアも賛辞を送った。作曲家は危険から脱した。同年、ショスタコーヴィチは静かに歌曲「復活」を発表した。その伴奏部の一部は、交響曲5番の最後の楽章とほぼ同じだ。天才の絵を塗りたくった野蛮人の絵、そして時間が経って再び現れた天才の創造物…。

19日、ソウル芸術の殿堂のコンサートホールでは、マリス・ヤンソンス指揮のバイエルン放送交響楽団が、ショスタコーヴィチの交響曲5番を演奏する。22日にも同ホールで、ウラジーミル・フェドセーエフが指揮するモスクワ放送交響楽団が同曲を演奏する。モスクワ放送交響楽団は17年前に1週間、練習と録音を見守ったことがあり、ひときわ感慨深い。コンサートを鑑賞する観客は、4楽章の外見上の華やかさだけでなく、その背後に隠されたショスタコーヴィチの内面の闘争を思い浮かべるといいだろう。