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[社説]「野神」の講演、大統領府は批判に耳を塞げという意味に理解するな

[社説]「野神」の講演、大統領府は批判に耳を塞げという意味に理解するな

Posted November. 10, 2014 08:07,   

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「野球の神」(野神)と呼ばれるプロ野球ハンファ・イーグルスの金星根(キム・ソングン)監督が、大統領府で「どんな指導者が組織を強くするか」と題する講演を行った。金氏は、「世の中のすべての批判に勝ってこそリーダーになれる。批判を避けることはリーダーになる資格がない。自分が批判されても、後ろにいる人々が気楽に働けるようにしなければならない」と述べた。庾敏鳳(ユ・ミンボン)国情企画首席など大統領府の職員約250人が講演を聴き、5分ほど残して外部の行事から戻ってきた金淇春(キム・ギチュン)大統領秘書室長も参加した。

金氏の講演は、大統領府が世論の批判にもかかわらず正しいと思うことを押し進めれば成功するというメッセージを含んでいるようだ。金氏自ら選手や球団と妥協しない野球人生を生きてきた。彼は講演で、「非難に対して釈明すること自体が時間の浪費であり、自分の道を進まなければならない」とし、「上に立つ者が『このことで世の中の人が自分をどう見るか』と考えてはならない」と強調した。

金氏を講演者として招いた金秘書室長は、金泳三(キム・ヨンサム)大統領時代に韓国野球委員会(KBO)総裁を務め、金氏と出会った。金室長は、講演後のあいさつで、「希望の新しい時代を築くために昼夜を問わず尽力している。必ずや『野神』金星根監督の言葉のように勝たなければならない」と述べた。金氏の講演は興味深い。しかし野球と政治は違う。現代政治は世論政治だ。大統領府は平素から多くの世論調査をしているそうだが、人事の失敗など特定の部分では世論の批判に耳を塞いでいるように見える。世論政治だと言っても世論に追従する政治をしろというのではない。世論に追従してばかりもいけないが、無視してもいけない。

政治指導者なら、非難されてもすべきことがある。野球と違って政治では、批判されればされるほど、国民を説得する努力をしなければならない。大統領府が意思疎通が不十分だという批判を受けるのは、国民を十分に説得できないためだ。野神の講演が、大統領府が世論の批判に耳を塞ぎ、ただ押し進めろという誤ったメッセージを与えては困る。