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[社説]フランシスコ法王が訪韓、この地に光と平和を

[社説]フランシスコ法王が訪韓、この地に光と平和を

Posted August. 14, 2014 03:59,   

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全世界のカトリックの首長であるフランシスコ法王が、夏期休暇を返上して、78才の老体で地球半周をまわって今日この地を訪れる。法王は、第6回アジア青年大会や尹持忠(ユン・ジチュン)パウロと123位の施福式を行うなど5日間の日程で、韓国のカトリック信者とアジアの若者に会う。1984年と1989年のヨハネ・パウロ2世の訪韓に続き、25年ぶりの慶事だ。法王は、アジア圏で韓国を最初の訪問地に選んだ。自生的に信仰の花を咲かせた韓国天主教に対する愛情、韓半島と東アジアの平和への願いが込められている。

法王は、昨年3月の就任以降、貧しい人々に歩み寄る破格の行動で注目されている。儀式を拒み、貧しく疎外された人々に手を差し伸べる温かいリーダーシップに大衆は歓呼した。即位式で、シルクの靴ではなく古い靴をはき、法王宮殿ではなく質素な聖職者共同宿舎に滞在した。誕生日に街のホームレスを招待し、少年院ではイスラム教徒も含む「幼い罪人」の足を拭き、足の甲にキスをした。清貧、謙遜、寛容の人生は、信者、非信者を問わず、感動を与えた。

貧しい人々には慈しみ深いが、不正と悪に対しては歴代のどの法王よりも断固としている。バチカン銀行の大胆な改革、マフィア破門宣言など、改革的なリーダーシップで世間を驚かせた。教会の垣根を越えて世俗社会の長年の課題に取り組むことも法王の関心事だ。行く先々で「正義が実現し、その正義が貧しい者に届かなければならない」、「その誰も暴力を正当化するために神の名を乱用してはならない」と力説する。

訪韓を控え、教皇庁は簡素な歓迎・歓送会を要請した。今日、駐韓ローマ教皇庁大使館で施設管理人や清掃員などと共に訪韓最初のミサを行い、18日には明洞(ミョンドン)聖堂で「平和と和解のためのミサ」を行う。法王が行く先々で、時代の痛みは癒され、慰めを得るだろう。

分断に続き、様々な葛藤(かっとう)で分裂したこの地に伝える法王のメッセージに、国民の関心は大きい。訪韓歓迎・歓送会やミサでは、日本軍慰安婦被害者をはじめセウォル号犠牲者の家族、双龍(サンヨン)自動車のリストラ労働者、密陽(ミルヤン)や江亭(カンジョン)村の住民が参加する。社会的に共感できないことに法王の影響力を利用しようとする試みがあってはならない。「いつも考えが通じる仲間だけで話をするなら、そのような共同体は生命の共同体ではない」。違いを越えて共同の善を追求することが崇高な召命という法王の言葉に耳を傾けなければならない。