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ISIL、シリアとの国境検問所を制圧

Posted June. 23, 2014 03:24,   

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シリアとイラクで内戦を行っているイスラム教スンニ派の過激派組織「イラクとレバントのイスラム国(ISIL)」が戦略的要衝地であるイラクのカイム国境検問所を制圧した。シリアとイラクを結ぶ通路を掌握したISILは、両国を統合したスンニ派イスラム国家を樹立するという目標に一歩近づいた。

ISILは20日、シリアに接する国境検問所がある西部の小都市カイムを制圧したのに続き、21日にはラワ、アナ、フセイバなどアンバル州の戦略的要衝地も制圧したと、AP通信などが報じた。

ISILは、シリアとイラクの占領地域の連結を考えていた。カイムに接するシリアのデリゾール州で、ISILは少なくとも3都市を制圧し、カイムと隣接した国境都市アルブカマルは、シリアの別の武装組織「アン=ヌスラ戦線」が制圧している。

国境検問所を制圧したことで、ISILはシリアから武装メンバーだけでなく、武器や重装備などを簡単に持ち込むことができるようになり、イラクのヌリ・アル・マリキ政府は大きな打撃を受けることになったと、AP通信は分析した。

また、ISILが新たに制圧したアンバル州3都市は、シリアからイラクの首都バグダットに向かう高速道路沿いにある。米CNN放送は、シリアから来た武装メンバーがバグダッド郊外に到達するのに4時間もかからないと伝えた。

ISILがアナやラワなど、ユーフラテス川流域まで制圧し、ハディサダムも危険になった。ダムが破壊されれば、イラク全体の電力網に影響を与え、洪水が発生する可能性もある。イラク政府は、ISILのダム攻撃に備えて2000人以上の兵力を派遣した。

バグダッドでは、イラク政府を支持する数千人の兵力が機関銃やロケット砲、迫撃砲、ミサイルなどで重武装し、パレードを行った。これは、シーア派政府支持派の軍事力を誇示し、武装組織を威圧し、シーア派の結集を図ろうという意図がうかがえる。

一方、米国のオバマ大統領は、イラク内戦が激化する兆しがあった昨年末、イラク軍を支援する秘密計画を承認したと、ウォール・ストリート・ジャーナルが22日付で報じた。しかし、米国が渡す情報がイラン側に流れる恐れがあるという憂慮と不信のため、武装組織の砂漠拠点の情報共有など制限的な活動に止まったと、同紙は伝えた。