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「韓中FTAで北朝鮮政権は完全に死ぬ」 故黄長鎏氏の講義録出版

「韓中FTAで北朝鮮政権は完全に死ぬ」 故黄長鎏氏の講義録出版

Posted June. 12, 2014 05:35,   

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朝鮮労働党総書記だった黄長鎏(ファン・ジャンヨプ)氏(1923〜2010)の講義録「黄長鎏の人間中心哲学」(ザブックス、全2巻)が出版された。

同書は、黄氏が2004年から亡くなる4日前までの7年間、毎週1回行った講義「人間中心哲学教室」の内容をまとめたものだ。黄氏が常任顧問を務めた「民主主義理念研究会」のカン・テウク会長が講義の録音テープ約180本を書き起こした。

同書には、黄氏自身が確立した人間中心哲学の主な内容をはじめ、マルクス主義や北朝鮮体制に対する考えなどが含まれた。主体思想の設計者とされる黄氏が、北朝鮮の主体思想を独裁の道具だと批判した内容もある。黄氏は、民主主義の個人的属性(自由)と集団的属性(平等)を調和させることが、人類の発展の唯一の道だと強調した。

黄氏は、受講生との質疑応答で、北朝鮮の現実と南北関係に対する考えを明らかにした。金正日(キム・ジョンイル)総書記の性格を伝えるエピソードが代表的だ。労働党軍需担当書記が良い拳銃を金総書記に渡し、「犬で実験してみたところ性能がとても良かった」と言うと、金総書記が「なぜ犬で実験したのか。政治犯が多いのだから政治犯で実験すればいい」と言ったという内容もある。北朝鮮の支配エリートである首相や党書記ですら「早く改革・開放しなければならない」と思いながらも、金総書記に直言できず、「死なばもろとも」と諦める様子を振り返る内容もある。

同書には、南北関係の解決策と対北朝鮮戦略に対する助言もある。黄氏は、「北朝鮮を中国式改革開放に導く最良の方法は、中国と韓国が自由貿易協定(FTA)を締結することだ」とし、「こうなれば臥している金正日政権は完全に死ぬだろう」と見通した。

黄氏は、北朝鮮の核兵器やミサイルの実戦使用の可能性を低く見た。核開発の本当の目的は「(韓国内に)戦争恐怖症を持たせ、金総書記に平和を請うようにし、(韓国内)左派政権の群衆基盤を作ることだ」と分析した。ミサイルについては、「(韓国に)米国の軍隊がいる限り、ミサイルが100万個あっても撃つことはできない」としながらも、「西海(ソヘ・黄海)海戦のような局地的挑発の可能性は常に警戒しなければならない」と指摘した。

同書を編集したカン・テウク会長は11日、出版記念会で、「これまで金日成(キム・イルソン)、金正日首領の1人独裁思想にねつ造された主体思想の設計者として、罵倒や蔑みを受けた、黄先生の人間中心哲学を回復させなければならないという思いで本を出版した」と述べた。