カペッロ監督、「フィジカルと組織力が良い」と韓国を警戒

「全ての試合が重要だが、韓国との初戦が一番重要です」

目標は同じだった。初戦を勝利で飾ること。韓国代表チームの洪明甫（ホン・ミョンボ）監督が韓国の初戦相手となるロシアのファビオ・カペッロ監督も、韓国戦で総力戦で臨む考えを示した。

韓国と同じＨ組に入ったロシアが８日午前（現時時間）にブラジル入りした。主に自国で練習をしてきたロシアは、モスクワでチャーター機で１４時間を飛行して、決戦の地に到着した。ロシアのベースキャンプ地となる人口１５万の小都市イトゥは、サンパウロから１１０キロ離れていて、車では２時間かかる。カペッロ監督は、３ヵ月前に直接イトゥを訪問して、現場を確かめた後ベースキャンプ地に決めた。静かで練習場と宿舎など基本的な施設が好評だ。日本代表もイトゥにべースキャンプを張っている。

８日、ロシア代表の宿舎と練習場には厳しい警備が敷かれていた。借り切っているサン・ラファエルホテルは、装甲車に乗った警察と軍人２０人あまりが２４時間態勢で警備に当たっている。ロシア代表は、遅い午後から回復練習をするため、宿舎から車で１０分距離にあるノベリ・フニエルスタジアムへ向かった。警察のヘリコプターまで動員され、ロシア代表の移動を援護した。

５０人あまりの報道陣が詰めかけたなか、ロシアはブラジルでの初練習を２０分だけ公開した。あるロシア人記者は、「ロシアでも２０分だけ練習を公開していたけど、ブラジルでも一緒だ」と不満を漏らした。同日の練習には２３人の選手全員が参加したが、疲れた様子もなく明るい表情だった。

１時間の練習が終わった後、カペッロ監督が記者会見に臨んだ。余裕のあるジョークも交えながら２０分あまりにわたった会見では、韓国への警戒感を隠さなかった。大きな試合に強いＭＦアラン・ジャゴエフ（２４）の韓国戦先発出場を予告し、ベストメンバーで臨む考えを明らかにした。ジャゴエフは、シュートが鋭く、サイドから中央へ切り込む能力が抜群だ。またドリブルとパスがロシア代表メンバーでは最高水準だ。カペッロ監督は、「韓国はフィジカルと組織力が良いチームだ。韓国との初戦を勝てば、きっと容易く１次リーグを終えることができるだろう」と話した。

多くのロシア記者も、韓国戦の結果にロシアの決勝トーナメント進出の行方が決まると分析した。チャンネル１ロシアのユリア・ジャグラニッチノワ記者は、「確かにベルギーがＨ組では一番強いチームだが、韓国とロシアの試合結果によって、順位はいくらでも変わるものだ」と語った。一方、アルジェリア代表チームも同日、ブラジル入りし、キャンプ地のソロカバへ移動し、初練習を行った。