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[オピニオン」日朝合意を見て、思い浮かぶ顔

[オピニオン」日朝合意を見て、思い浮かぶ顔

Posted June. 09, 2014 08:54,   

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中国が脱北者を強制送還する時は、いつも米ワシントンの中国大使館の前が騒々しくなる。北朝鮮人権団体や在米韓国人社会が「強制送還を中止せよ」と書かれたプラカードを持って行進し、大規模なデモを行う。

しかし、このようなデモの現場に日本人も必ず現れる。彼らは、日本人拉致問題に関心を求めるために現場にやって来る。デモ隊の勢いに押されてスポットライトを浴びることはできないが、周辺で日本人拉致問題を説明するパンフレットを熱心に配り、米国人に関心を持つよう呼びかける。

デモの現場で会った島田洋一・福井県立大学教授に、「なぜ関係のない中国の脱北者強制送還反対デモに混ざって日本人拉致被害者のデモをするのか」と尋ねた。島田氏は、「人権の次元では同じ問題だ。日本人拉致被害者は長年の問題であり、関心を引くことが容易でない。中国の強制送還反対デモに加わってでも問題化しなければならない」と答えた。島田氏は日本人拉致問題に関心がある米議会や政府関係者にも会う考えだという。島田氏は、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会の代表としてデモに参加するために日本からやって来た。

その後、ある日本の新聞のワシントン支社長宅を訪れたことがある。書斎は、日本人拉致問題のパンフレットやポスターでいっぱいだった。同氏の米国人妻、スーザン・バルゾ氏は、ワシントンで日本人拉致被害者の救出団体を組織し、米国の政界を相手にロビー活動を行っている。彼の妻は弁護士が本業だが、日本人拉致問題に多くの時間を割いているようだった。日本人拉致被害者の歴史を長時間説明するバルゾ氏を見て、米国で日本人拉致問題が注目され、その解決に向けた聴聞会が開かれる理由を知った。これらの人々の不断の活動のおかげだった。

最近、日本人拉致問題の解決に向けた北朝鮮と日本の合意を見て、彼らの顔が再び思い浮かんだ。米国では、日朝合意が韓米日同盟に亀裂をもたらすという憂慮と米国との事前協議なく先急いだ安倍晋三首相に対する不満があることは事実だ。米国は日朝対話の透明性を強調しているが、日本が人権の次元で拉致問題の解決に継続して関心を持ってきた点を高く評価している。安倍政権前から日本政府関係者は米国を訪問する度に日本人拉致問題を取り上げ、米国の関心を呼びかけてきた。島田氏やバルゾ氏のような民間団体の活動も重要な役割を果たした。

日本は最近、世界紛争や災害地域への救助支援活動を強化し、拉致問題の人道主義的解決を強調するなど、米国で支持基盤を広げている。戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン日本部長は、「米国は当初から北朝鮮の核と人権問題を分けて考えてきた」とし、「米国では日本の行動に不満もあるが、国際社会の貢献と人類の普遍的価値、地域安定の次元で歓迎する声が多い」と述べた。

先日までワシントン外交関係者の間では、「最高の韓米関係を日本が羨望の目で見ている」という意見があった。しかし、もはやこのような声は聞かれない。韓国は、日本の集団的自衛権の拡大や拉致問題解決などで米国の見解が微妙だが重大な相違があることを知った。もはや「蜜月協力」だけを叫んで米国を信じるには、日本という変数が大きい。米国と日本の間で曖昧な立場にならないために、高次元の外交が必要だ。