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[オピニオン]枢機卿の初訪朝

Posted May. 22, 2014 06:37,   

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ドイツ統一前、東ドイツに属したザクセン州のライプツィヒは、商業と芸術で有名な由緒ある都市だ。中世時代から商品の博覧会が開かれた。バッハ、メンデルスゾーン、ワーグナー、ゲーテがここで芸術の花を咲かせた。バッハはここの聖トーマス教会と聖ニコライ教会で晩年の大作を残した。聖ニコライ教会は、ドイツ統一運動のきっかけとなった月曜平和祈祷会が開かれた場所だ。祈祷会自体は1982年に始まったが、1989年9月から祈祷を終えた後に自由を求めてデモをする市民が増え、広がっていった。同年11月9日にベルリンの壁が崩壊した。

◆北朝鮮でライプツィヒに似ている所を挙げるなら開城(ケソン)ではないだろうか。高麗(コリョ)の首都として当代すでに貿易の中心地となって世界に開かれ、「開城商人」という言葉が生まれた所だ。徐敬徳(ソ・ギョンドク)、黄真伊(ファン・ジンイ)、韓石峰(ハン・ソクポン)など多くの文人や芸術家が活動した点も似ている。南北の対峙が深刻化している状況や、現在5万人を超える北朝鮮労働者が、開城の韓国企業の製品を生産し、南北の共生と統一を夢見る所という点でもそうだ。

◆天主教ソウル大教区長であり平壌(ピョンヤン)教区長代行の廉洙政(ヨム・スジョン)枢機卿が21日、陸路で開城工業団地を訪れた。開城工団にいる韓国の天主教信者を激励するためだが、枢機卿の初めての訪朝が持つ象徴的意味は大きい。8月のローマ法王の訪韓を目前にして、北朝鮮が廉枢機卿に開城工団の門戸を開いたことで、何か南北間に良いことが起こるかも知れないという期待を抱かせる。

◆飾らない振る舞いで尊敬を受けるローマ法王が訪韓し、韓半島の平和を祈るミサを行えば、国内外の注目を集めるだろう。韓国天主教会は、韓国戦争が勃発した6月を毎年「民族の和解と一致に向けた祈祷の月」と定め、平和統一を願うミサを行う。北朝鮮にもある唯一の聖堂が長忠(チャンチュン)聖堂だ。1988年10月にローマ法王庁の特使が訪れて祝聖式を開き、ミサを行った。廉枢機卿が平壌も訪れ、長忠聖堂で典礼を行う日が早く来ることを願う。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員 eligius@donga.com