Go to contents

[社説]安全規制、強化だけでなくしっかりと履行されるべきだ

[社説]安全規制、強化だけでなくしっかりと履行されるべきだ

Posted May. 06, 2014 08:15,   

한국어

旅客船セウォル号沈没の惨事以降、国会が安全関連規制の強化に乗り出している。国会は、海上安全の強化のための航路表示法の改正案、修学旅行など、生徒らの団体活動を巡る安全対策を樹立を義務付ける方案などを議決した。規制緩和を強調してきた朴槿恵(バク・グンへ)政府にも、変化が見られる。産業資源部のユン・サンシク長官は、「法的強制認証は、より深みのある検討を経なければならない」とし、規制緩和から排除する意思を明らかにした。法的強制認証とは、安全や環境と関係のある製品やサービスについて、獲得を義務付ける政府認証であり、朴槿恵政府の規制緩和対象だった。

しかし、規制緩和だけが能ではない。セウォル号を巡る惨事は、規制の不備というよりは、存在する規制すら適切に守られなかったために起きた側面が大きい。国内旅客船は、10日に1度の非常訓練を実施するよう定めている。セウォル号は、この安全規定を全く守らなかった。もしかして、月に一度でも適切に非常訓練を行ってきたなら、惨事を軽減することができたかも知れない。

安全のために必須の規制は新たに作り、不備な規制は強化すべきだ。セウォル号の場合、船舶貨物の積載限度の超過、救命器具及び消火設備、乗組員への安全管理教育などを監視監督する規定は確かにあった。韓国海運組合所属の運航管理者らが手かけるようになっているが、セウォル号は、このような事項の大半を守らなかったため惨事が起きた。現在の海運法は、12年の改定過程でのミスのため、運航管理者を処罰できなくなっている。「規制乱発」に大きな責任のある国会の安全立法の専門性は、失望するほどのレベルだ。強化か、緩和かが絶対的な基準ではなく、守ることのできる適切な規制を作るべきだ。

大事件が起きるたびに、政府対策が殺到し、規制強化へとつながるのも、積弊の一種だ。セウォル号の惨事を巡り一部からは、「規制緩和のせいだ」という主張があるが、官僚らが守ることのできないめちゃくちゃな規制ばかりを沢山作っておいて、退任後協会などに天下り、その規制を活用して贅沢をする行為が、問題の本質だという指摘もある。今回の事故でも海運組合は、セウォル号の無理な出航を許可し、韓国船級はセウォル号の復元力が落ちる増改築を許可したことが明らかになった。これらの機関は、理事長職の大半を海洋水産部出身が占めている。このような状況で規制緩和は、監督機関と民間業者との甲乙関係を強化し、賄賂・供与提供や便宜提供の、より隠密なやり取りのみ助長するだけだ。