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スパイ事件の非公開証言、北の保衛部に流したのは誰だ

スパイ事件の非公開証言、北の保衛部に流したのは誰だ

Posted April. 02, 2014 05:42,   

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脱北者のA氏が、ソウル市公務員スパイ事件の控訴審で証言した内容が、北朝鮮の国家安全保衛部に流出され、北朝鮮に住んでいるA氏の家族が取調べを受けたという。昨年12月6日、ソウル高裁で行われた非公開裁判には、裁判官と検察官、証人のA氏、ユ・ウソン被告、民主社会のための弁護士の会(民弁)所属の弁護士2人だけが出席した。それから約20日が過ぎた後、北朝鮮にいるAうじの家族は、国家安全保衛部の取調べを受けたという。A氏は、証言が流出した経緯の捜査を求めて、今年1月14日、裁判所に嘆願書を出した。

検察は、「流出は確認されていない」と話したが、見過ごせる問題ではない。嘆願書に登場するA氏の娘の陳述は、大変具体的だ。嘆願書によると、咸鏡道(ハムギョンド)に住むA氏の娘が、1月6日、A氏に電話をかけ「(4日前に)保衛部反探課に行って調査を受けた」とし、「お父さんが裁判に出て祖国の権威と威信を毀損する悪いことをしたと言われた。お父さんが南朝鮮で祖国に害をなす行為をする際は、私たち兄妹を放っておかないと言った」と伝えた。保衛部反探処は、反体制犯罪者の捜索や脱北者の動向把握などを担当する機関だ。

保衛部の工作員出身であるA氏は、ユ被告のスパイ容疑を立証するため、身辺保障を約束されて証人として立った。A氏は、華僑のユ被告の弟が脱北者情報を持って川を渡った理由と渡った地点などについて証言した。A氏は、「北朝鮮保衛部が、どうやって私が改名したことと裁判に出席したことを知っていて、自分の家族を調べたのか、どうもおかしい」と話した。裁判には、たった6人だけが出席しており、裁判官と検察官、A氏を除けば、流出した可能性があるのは3人だけだ。

A氏は2003年に韓国へ亡命した後、A級の特別保護対象に分類され、警察官3人の24時間密着警護を受けている。身分を隠すため名前も変え、携帯電話も他人名義で使っているほどだ。A氏は、「証人として出席したことを数え切れないほど後悔している」と言って胸をたたいた。先進国では、法廷に証人として立つ人の家族を恐喝する犯罪に対しては加重処罰している。A氏の家族は安否が確認されていないそうだ。検察と国家情報院は、誰が証言内容を流出したのか洗い出すべきだ。

脱北者たちは、身元情報が露出されると、北朝鮮に残っている家族の安全が脅かされることが多い。北朝鮮保衛部から北朝鮮への帰国を強要されたとして届け出た例が、2012年以降100件あまりに上る。北朝鮮が脱北者を管理するために脱北者に偽装したスパイを送り込んでいるのも、そのためだろう。