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[オピニオン]対北朝鮮風船団長

Posted March. 17, 2014 03:18,   

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イ・ミンボク氏は最近、闘志に溢れている。「対北朝鮮風船団長」と呼ばれるイ氏は4日、江原道鉄原(カンウォンド・チョルウォン)と京畿道漣川(キョンギド・ヨンチョン)から北朝鮮にビラを飛ばした。メディアにも政府にも伝えなかった。翌日、北朝鮮が抗議通知文を大統領府国家安全保障室に送ってきた。ビラが北朝鮮地域に落ちたという証拠だ。北朝鮮の同胞に真実を伝えるビラこそ、北朝鮮を変える最も効果的な武器だと考える彼にこれ以上嬉しいことはない。

◆北朝鮮を脱出して1995年に韓国に来たイ氏は、2003年からビラを飛ばし始めた。初めはゴム風船を利用したが、2005年7月に袋の形のビニール風船を開発し、大量散布に成功した。イ氏は、目標地域の上空でビニール風船を破裂させ、ビラをまくタイマーも開発した。初めは化学薬品で風船を破裂させる化学式タイマーを使ったが、2008年7月からは機械式タイマーに変えた。平壌(ピョンヤン)の南方を目標にした3時間用機械式の開発に続き、北朝鮮の端まで飛べる10時間用タイマーも開発した。水にぬれても敗れないビニールのビラもイ氏の作品だ。

◆イ氏はほかの脱北出者団体とは違い、密かにビラを送る。風向きと風速を考え、ビラが北朝鮮に確実に渡る場合に風船を飛ばす。北朝鮮にビラを送る一部の団体は風向きを考えずイベントとして行うため、韓国にビラが落ちることもある。イ氏は風向きが合わない冬にはビラを飛ばさない。今年の冬も風が例外的に良かった2月7日と3月4日の2度だけ風船を送った。

◆大統領府は、「韓国国民は憲法上、表現と集会結社の自由を保証されている」とし、北朝鮮にビラを飛ばすことを禁止できないと伝えた。堂々とした政府の対応は喜ばしいが、イ氏には1つの願いがある。北朝鮮の抗議と警告を受けてイ氏の保護を任務とする警察が、ビラ飛ばしを妨害することを止めてもらいたいという願いだ。イ氏には温かい激励とともに寄付を送る民間支援者がより有難い。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委hnbhang@donga.com