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[オピニオン]金汝貞と金敬姫

Posted March. 11, 2014 03:35,   

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父親の権力を世襲した金正恩(キム・ジョンウン)第1書記のように、金汝貞(キム・ヨジョン)氏も叔母である金敬姫(キム・ギョンヒ)氏の役割を受け継ぐのか。北朝鮮の朝鮮中央放送は9日、金第1書記の妹の汝貞氏が、平壌(ピョンヤン)の金日成(キム・イルソン)政治大学で第13期最高人民会議代議員選挙(韓国の国会議員選挙に該当)に投票をしたことを報じた。汝貞氏が主要なプロジェクトに登場したことはあったものの、北朝鮮メディアが公式に名前を明かしたのは初めてだ。汝貞氏は、黄炳誓(ファン・ビョンソ)党組織指導部副部長の次に呼ばれたことから、副部長(次官)職級と見える。

◆北朝鮮は、最高権力者の妹の公式登場を緻密に準備した。汝貞氏は2011年12月、父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去の際に初めて公開の席に姿を現した。当時、汝貞氏は黒い服を着て涙をふき、金第1書記の後ろで弔問客を迎えたが、葬儀委員会の名簿には名前がなかった。朝鮮中央放送は2012年11月、軍部隊の視察に来た汝貞氏の単独写真を放送した。北朝鮮の権力層と住民に数回顔を見せた後、名前を明らかにしたことで、公開の手続きは終えたと見ることができる。

◆汝貞氏は1996年から2000年まで、兄の正哲(ジョンチョル)、正恩氏と共にスイス・ベルンに留学した。帰国後、どんな教育を受け、現在何の仕事をしているのか、まだヴェールに包まれている。汝貞氏は名前も数個ある。スイス留学の当時は、キム・ジョンスンという名前を使ったが、金総書記の料理人だった藤本健二氏が明らかにした幼い頃の名前はキム・イルスンだ。

◆72才の金敬姫氏が、高齢と持病のために事実上引退した状況で、金第1書記にとって妹よりも確かな側近はいない。敬姫氏は労働党書記として金総書記の統治資金を管理した。しかし、3代世襲権力を維持するにはあらゆる方法を動員しなければならない。99%を超える有権者が参加し、投票率100%を記録した代議員選挙にしても、典型的な独裁権力の詐術だ。今年27才の汝貞氏は遠からず結婚するだろう。配偶者も敬姫氏の夫、張成沢(チャン・ソンテク)氏のように力を得ることになる。張氏の悲惨な最期は汝貞氏に警戒心を与えるだろう。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com