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[オピニオン]危機のクリミア半島

Posted March. 01, 2014 03:42,   

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アイゼンシュタインの映画「戦艦ポチョムキン」は、1905年、ロシア革命に同調するロシア水兵らの暴動を扱っている。当時、戦艦チョムキンは、ウクライナのオデッサ港に停泊していた。1991年、旧ソ連の崩壊前までは、ロシア、ウクライナ、ベラルーシを区分することは、あまり意味がなかった。私はパリ特派員時代、ロシア人やウクライナ人、ベラルーシ人と全て知り合いになったが、彼らは、自分たち同士では、ロシア語でコミュニケーションを図った。ウクライナを小ロシア、ベラルーシを白ロシアと呼んだりもする。

◆旧ソ連の崩壊後、ウクライナやベラルーシは、ロシアから独立した。その後、ふたつの国では、ロシアより西欧に近づこうとする流れができた。その流れは、ウクライナのほうが、ベラルーシより一段と強かった。ウクライナでは、ウクライナ語を使う人が65%なのに比べ、ベラルーシでは、ベラルーシ語を使う人はわずか11.9%だ。その結果、ウクライナでロシア系の支持を手にしたビクトル・ヤコヌビッチ前大統領の追い出しという事態で現れた。

◆ロシアは、スラブ民族や正教会の保護者を自認してきた。それが、ロシアが昔からスラブ問題に口出したり、東欧のほうに領土を拡大してきた口実だ。ロシアは今、ロシアと最も近かったウクライナからすら拒否されている。ロシアが、文学や芸術の面で優れた成果を示したにも関わらず、ロシアの政治道徳的価値は不信を受けてきた。ヘンリー・キッシンジャーは彼の著書「外交」の中で、「米国の価値が、米国を批判する国ですら受け入れられているのと違いがある」と記した。

◆クリミア半島は、ウクライナの領土ではあるが、ロシア系が58.5%と、半分を超えている。クリミア半島の南端には、ロシア黒海艦隊基地のセバストポール港もある。クリミア半島は、ロシアの影響力がウクライナのいかなる地方より強い。ここで、ロシア系と見られる武装勢力が、自治共和国議会の建物を占拠し、「クリミアはロシア」という垂れ幕を掲げ、ロシア国会も掲げた。ロシアが、ロシア系住民の保護を名分に、軍隊を投入し、21世紀版クリミア戦争が起きるのではないかという懸念が出ている。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com