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占いをする理由

Posted January. 29, 2014 03:23,   

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タロット占いが好きな1人の友人がいる。外国に行っても必ず時間があればタロット占いの店に行くほどだ。フランスに行った時、ジプシーの占い師に「生涯男がいない」と言われたと意気消沈していたが、最近米国に行って、ヒッピーの占い師に「すぐにボーイフレンドができると言われた」と大喜びだ。

神占を信じる中年男性も1人いる。誰か見ても成功した高級職なのに、1人で占いの店に行くのを楽しんでいる。初めて行った占いの店で重い病気があると言われ、健康診断を受けたらガンが見つかった。それ以降、占いを信じている。新年の挨拶で、「新年の運を占ったか」と聞くと、「昇進運があるそうだ」と喜んでいた。

年の初めだからか、周囲では占いをしたという話が多い。占いを信じる人のタイプを考えてみたところ、一つの共通点を発見した。良い話、望む話を聞くまで占い店を渡り歩くということだ。特に何か重大な決定をしなければならない時は、すでに心の中に決めた答えを占い師の口から聞くまで占いの店に行く。すでに引越しする家が決まっていても、「今住んでいる所より北に行けば良くなる」という言葉を聞かなければ安心しない。

一寸先も分からない人の人生で、少しでも将来を見通したいという心理は昔も今も、洋の東西を問わず同じだ。皆がヒーリングを語る現代社会では、占いを通じて心の安息を得ようとする人も多い。

以前タロット占いに執着していた友人に、これまで占いに使ったお金を結婚仲介業者に使ったら10人の男性に会えたとからかった。しかし、最近、良い男性に会えるという言葉で元気になる友人を見て、占い料にも効用があるという気がした。喜びを与える言葉、前向きな自己暗示につながる言葉なら、十分に値段に値する。

このような考えは、最近会った進路カウンセラーの話を聞いてさらに強くなった。勉強がよくできる高校生の相談を受けた時、この生徒が「椅子に座ってもいいですか」で始まり、「水を飲んでもいいですか。お手洗いに行ってもいいですか。鉛筆で書きましょうか、ボールペンで書きましょうか」といった質問を続けた。後で分かったことだが、両親に「お前は何もちゃんとできない。そんなふうで何になるんだ」と言われて育ったためだった。否定的な自己暗示が体にしみつき、些細なことも決定できなくなったのだ。

良い話を聞きたいと思い、またそのような話を通じて前向きな自我像を作り出すことは、子どもも大人も違いはない。2たす2がなぜ4なのかと尋ねるエジソンに低能だと非難する教師しかいなかったなら、電気はできなかったかもしれない。エジソンが発明王になったのは、彼の母親が、「お前が優れているので学校の勉強がついていけない。お前のアイデアは奇抜だ」と励ましたおかげだった。

2日後には祭祀の膳を囲んで久しぶりに顔を会わせた家族が様々な話をするだろう。どうせなら良い考えを生む言葉、肯定的な自己暗示を植えつける美徳の言葉を交わすのが良い。

教育学で言うローゼンタール効果(Rosenthal effect)、心理学で言うピグマリオン効果(Pygmalion effect)を考えればいい。他人の期待や関心に応じて実際に能率や結果が良くなる現象をいう。良い言葉が与える前向きな自己暗示の効果は、1人の人生を変えることもできる。

ただし容貌のコンプレックスで悩む思春期の姪に「ミスコリアになれる」といった言葉をかけると、名節が白けた空気になるので注意しなければならない。美徳の言葉も「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」だ。