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[オピニオン]美容外科クリニックの猟奇的コレクション

[オピニオン]美容外科クリニックの猟奇的コレクション

Posted January. 24, 2014 08:18,   

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通貨危機の時代を背景にしたドラマ「ミスコリア」で、思い出のシーンが登場する。ミスコリア候補らが濃い化粧に、できる限り髪の毛を膨らませた「獅子髪」の姿で、水着の審査を受ける姿だ。顔を小さく、細く映させる獅子のたてがみのヘアスタイルは、ミスコリアの象徴だった。歴代ミスコリアを思い浮かべれば、時代によって美人の基準が変わっていることが分かる。伝統的な美人像が、満月のようにふくよかな顔なら、今は、欧米的な容姿が、美人の基準となっている。

◆釈迦塔でも、多宝塔でもない、猟奇的な塔が、ソウル江南(カンナム)の美容外科に登場した。このクリニックは、手術の課程で切り取られた患者1000人のあごの骨のかけらを、高さ60センチの透明な構造物に入れて、ロビーに展示し、ホームページでは、これを「骨の柱」という説明と共に、誇らしげに紹介した。この写真が、ソーシャルネットワークサービス(SNS)などを通じて広まり、「あごの骨の塔」展示を巡り、ネットユーザーらから批判が殺到し、一人の市民が江南区役所に通報した。区役所側は、確認の結果、医療廃棄物管理法を違反したと結論付け、罰金300万ウォンを科す方針だ。

◆英国を代表するモデル・ケイト・モスは、バービー人形のような顔や体とは程遠い。内股に167センチそこそこの身長、出張った頬骨や角張った四角いあごを持っている。1990年代のデビュー当時、歓迎を受けなかったモスは、目立った個性や一際優れた表現力を打ち出し、モデル界の勢力図を変えた。当代のファッションデザイナーや写真作家らが、「生きている伝説」と崇めているモスが、もし大韓民国で生まれていたら、果たしてどうしただろうか。美人のイメージが定型化された社会で生き残るため、美容クリニックに足を向けただろうか。

◆韓国人の顔は、欧米人に比べ出張った頬骨や四角いあごが発達している。健康上の理由なら仕方のないことだが、欧米の女性らのように細長いVラインのあごの線を持つため、生まれつきの顔の形を「矯正」の対象として眺めるこの世の中が残念でならない。経済開発時代に、田舎の両親らが牛を売って送ってきた大学授業料で建設した大学を、「象牙の塔」の代わりに、「牛の骨の塔」と呼んだ。江南のいたるところに位置している豪華な美容外科クリニックを、「あごの骨の塔」でも呼ばなければならないか。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com