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通常賃金を巡る最高裁の判決、否定的な影響を防ぐ解決策を探るべきだ

通常賃金を巡る最高裁の判決、否定的な影響を防ぐ解決策を探るべきだ

Posted December. 19, 2013 03:15,   

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最高裁・全員合意体(裁判長=梁承泰最高裁院長)が昨日、「ボーナスは勤続期間によって支給額が変わるが、定期的かつ一律的に支給すれば、通常賃金に当たる」と判示した。財界と労働界との間の最大懸案となっている定期ボーナスの通常賃金への算入如何について、最高裁が事実上、労働界の肩を持ったことになる。最高裁はかつて、労使がボーナスを通常賃金から外すことに合意したとしても、勤労基準法に違反しており、無効だと明らかにした。定期ボーナスのほか、技術手当てや勤続手当、扶養家族数とは関係なく、全ての労働者の支払う家族手当も、通常賃金に含ませた。

しかし、最高裁は、休暇費や祭日時の帰省費、冬場に備えて大量にキムチをつける際のキムジャンボーナス、勤務実績によって配分するボーナスは、通常賃金とは認めないと判断した。定期ボーナスを通常賃金として認めながらも、企業の賃金債券の消滅期限であるこの3年間の賃金補填については、企業に過度な負担を与え、信義誠実の原則にも反し、遡及して請求することはできないと判決した。企業の都合を考慮し、苦心したことが伺える。

今回の判決は、自動車部品メーカー・(株)甲乙(カブウル)オートテクの労働者や退職者296人が、「ボーナスと夏休みの休暇費なども、通常賃金に含ませてほしい」と主張し、会社を相手に起こした2件の通常賃金訴訟への確定判決だ。通常賃金と関連し、裁判所で行われている訴訟は、計160件あまり。通常賃金は、労働者に定期的かつ一律的に支給される金であり、さまざまな手当てや出産休暇、育児休暇、給与、退職金算定時の基準になる。最高裁の判決を受け、企業各社は相当負担を抱くようになった。

通常賃金を巡る議論は、我々韓国企業の複雑な賃金体系から始まっている。経済開発時代に、急激な賃上げや物価上昇の圧力が高まると、政府は、賃上げのガイドラインを作り、それにあわせようと企業や労組は、基本給引き上げの変わりに、さまざまな手当てを上げる便法が、慣行として定着した。

最高裁の判決は、通常賃金への法律的定義のない状況で、通常賃金の範囲について具体的に適示したことに意味がある。通常賃金として認められるためには、△定期性、△一律性、△固定性、△労働への代価性などが備えられなければならない。政府が1988年にまとめた行政指針では、1ヶ月を超過するボーナスや労働時間とは関係のない生活補助的、福利厚生的に支給する通勤手当や家族手当、給食費、教育手当ては、通常賃金に含まれないと明記した。しかし、どこまでも最高裁の判決より下位にある行政指針だった。今回を機に、企業各社は複雑な手当て中心に組まれている賃金体系を、年俸基準に見直す必要がある。

今回の最高裁の判決で、企業の人件費負担が大幅に増えるだろう。大韓商工会議所や韓国経営者総連合会などの財界では、来年から毎年、8兆8663億ウォンの人件費が追加で増えるだろうと見ている。企業別の人件費は、平均15.6%伸びるだろうと見込んだ。新規採用市場が冷え込んでいるのに、今回の最高裁の判決で、若者らの就職がさらに難しくなるのではないか、気になる。政府や国会は、経済に過度な負担を与えない方向で、通常賃金問題を立法で解決する方策について、考える必要がある。