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金総書記の寵愛を受けたイ・チュングが投獄

金総書記の寵愛を受けたイ・チュングが投獄

Posted September. 02, 2013 06:26,   

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1980年代以降、北朝鮮で粛清され投獄された作家約10人の名簿を確保したと、脱北作家たちが主張した。名簿には故金正日(キム・ジョンイル)総書記の寵愛を受けた人気作家も含まれているという。

国内の脱北作家団体「亡命北朝鮮作家PENセンター」会長のチャン・ヘソン氏と脱北詩人のイ・ウォンピル氏は、北朝鮮内の獄中作家の名簿と彼らの迫害実態の報告書を7日、アイスランドで開かれる国際ペンクラブ総会の獄中作家委員会で発表する予定だと明らかにした。

報告書の北朝鮮獄中作家名簿で最も注目される人物は、北朝鮮最高のシナリオ作家とされるイ・チュング氏(73)。イ・チュング氏は、金総書記の文化界の最側近として「光復」(日本植民地支配からの解放)前後の近現代史の主要人物を扱ったシリーズ、伝記映画『民族と運命』を執筆した。報告書によると、彼は金総書記の寵愛を受けて朝鮮映画文化創作社の社長を務め、「努力英雄」の称号を2度も受けたが、2008年に投獄された。イ・ウォンピル氏は、「金総書記がイ・チュング氏のシナリオで修正する箇所を指摘したにもかかわらずイ・チュング氏が受け入れなかったため、激怒して投獄を指示したといううわさが流れている」と伝えた。

北朝鮮で最高クラスの小説家と評価されるキム・ジンソン氏(70)も2007年に逮捕され、収容所に収監されたという。彼は、「光復」直後の左・右の対立政局で左翼青年組織の成長・発展過程を描いた長編小説『最初の麓で』を書いた。報告書には、キム・ジンソン氏が2004年に発生した龍川(ヨンチョン)駅爆発事故で責任を問われて処刑されたキム・ヨンサム元内閣鉄道相と親しかったという理由で投獄されたと書かれている。

このほかに、映画『名もなき英雄たち』の作家イ・ジンウ氏(73)、4・15文学創作社党秘書出身の作家パク・ユハク氏(75)、両江道(ヤンガンド)作家同盟委員長を務めた小説家チョ・ジェフン氏(73)も、北朝鮮体制を批判した発言などが問題となって耀徳(ヨドク)収容所などに収監されていると報告書は伝えた。日本の植民地支配期に「九人会」の会長を務めた詩人チョン・ジヨン氏の息子、クイン氏家族は、父親を含む九人会のメンバーの親日行為に対する連座責任を負い、両江道豊西郡(プンソグン)の奥地に追放されたという。

同報告書は、亡命北朝鮮作家PENセンターが今年5、6月に中朝国境地帯の取材源を北朝鮮に送り込み、現地の文筆家たちから得た情報をもとに作成された。これまで文献調査による北朝鮮作家に対する政治迫害と投獄現況の研究はあったが、現地関係者をインタビューした研究は今回が初めてだと脱北作家たちは明らかにした。チャン・ヘソン会長は、「体制維持の作品だけを許可する北朝鮮では、作家に対する政治的迫害と投獄が日常的に行なわれている。今後も北朝鮮作家の迫害実態を調査し、国際社会に伝えていく」と話した。