Go to contents

[オピニオン]悔しい刑務所暮らしへの代価

[オピニオン]悔しい刑務所暮らしへの代価

Posted August. 02, 2013 03:12,   

한국어

1月封切られて、1200万人の観客を集めた映画「7番部屋の贈り物」の主人公、イ・ヨング(リュ・スンリョン扮)は精神遅滞者で、警察庁長の娘を殺害したという濡れ衣を着せられて、死刑宣告を受ける。厳しい公権力に愛する一人娘のイェスンが被害に遭うか恐れて、法廷で犯罪事実を認めるところでは観客の嘆息と共に涙腺を刺激する。イェスンが後で司法試験に合格して、父親の汚名を晴らすが、あの時はもう遅かった。死者への名誉回復だけだった。

◆映画の実際の主人公のチョン・ウォンソプさん(79)のストーリーは映画とは違いがある。チョンさんは、1972年9月、春川(チュンチョン)警察署の駅前派出所長の9歳の娘を春川のある畦で性的暴行した後、殺害したという濡れ衣を着せられた。同氏は裁判所で無期懲役を言い渡される。15年を服役し、1987年、クリスマスを控えて模範囚として釈放された後、再審を申請し、裁判所は無罪を言い渡した。別途で国を相手取って損害賠償請求訴訟を起こして、26億3700万ウォンの賠償判決を受けた。1日48万ウォンぐらいになる。

◆06年6月、現代(ヒョンデ)車グループから2億ウォンの賄賂を受け取った容疑で出社するところ逮捕された辺陽浩(ビョン・ヤンホ)元財政経済部金融情報分析院(FIU)院長は、裁判期間の292日を刑務所で送った。現代車賄賂事件は、1審で無罪、2審は有罪、最高裁は無罪に判決した。辺元院長は、「最高裁で、もし有罪と判決したら、悔しくて自ら命を絶ったかも知れない」と打ち明けた。辺元院長は悔しい刑務所暮らしを賠償してほしいと訴訟を起こしたが、裁判所は却下した。「無罪で済んだのを、国に何をさらに責任を取れというのか」という感じを受けたという。

◆米サンディエゴ・カリフォルニア大学工学部に通う韓国系米国人のダニエル・ジョンさん(25)が昨年4月、連邦麻薬取締局(DEA)に麻薬組織員に誤解されて、4日間、独房に閉じ込められてから釈放され、最近410万ドルを賠償してもらうことになった。嫌疑が無かった彼は刑務官のミスに、週末まで重なって、4日間刑務所に閉じ込められる羽目になった。釈放されてから1年が過ぎても、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされていたという。1日の刑務所暮らしに102万ドル(約11億4000万ウォン)だ。悔しい刑務所暮らしへの代価も国の懐と人権意識次第で違ってくるものだろうか。悔しい拘留や刑務所暮らしへの代価を算定する韓米の見方の違いが大きすぎる。

崔永海(チェ・ヨンヘ)論説委員 yhchoi65@donga.com