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全斗煥氏の長男はなぜペーパーカンパニーを作ったのか

全斗煥氏の長男はなぜペーパーカンパニーを作ったのか

Posted June. 04, 2013 05:10,   

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全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の長男である全宰国(チョン・ジェグク)氏が、租税回避地にペーパーカンパニーを作っていたことが明らかになった。インターネットメディア・ニュースタパによると、全氏は04年7月28日、単独登記取締役として英国領のバージン諸島に「ブルーアドニス」というペーパーカンパニーを作った。この会社は資本金5万ドルの会社として登録されているが、実際は額面1ドルの株1株のみを発行した典型的なペーパーカンパニーだ。

当初宰国氏は、この会社の名前で04年9月22日までにアラブ銀行シンガポール支店に口座を作る計画だった。しかし口座開設に必要な公証書類が、バージン諸島からシンガポールに配送される途中紛失した。そのため、「宰國氏の銀行口座の資金が全て足止めになり、宰国氏は憤った」という内容の電子メールも見つかったという。宰国氏が、何らかの口座に巨額の裏金を保有しており、それを急きょ秘密口座に移す必要があったことをうかがわせる下りだ。

ペーパーカンパニーの設立そのものは違法ではない。しかし出版社「時空社(シゴンサ)」を経営している宰国氏が、何の目的でペーパーカンパニーを作ったのか理解に苦しむ。ペーパーカンパニーを作る5ヵ月前の04年2月は、弟の全ジェヨン氏への検察捜査で、全元大統領の裏金のうち、73億ウォンがジェヨン氏に流れた事実が確認された時期だ。このペーパーカンパニーは、複数の状況から、全元大統領の違法な裏金とつながっている可能性が高い。

全元大統領は、在任中に2000億ウォン台の裏金を作った容疑で、1997年最高裁で追徴金2205億ウォンの判決を受けたが、現在1672億ウォンが未納のままだ。全氏は03年、「29万ウォンの預金が全財産だ」というずうずうしいうそをついたが、その翌年、隠していたソウル江南(カンナム)の土地51坪が見つかり、差し押さえられた。検察は最近、全氏の隠し資産を見つけ出し、未払いの追徴金を取り立てるため、ソウル中央地検に専従チームを立ち上げた。しかし10月10日までに隠し資産を見つけなければ、時効が成立しこれ以上取り立てる術が無い。

大統領が違法な政治資金を勝手に作っていた歴史を、そのまま容認してはいけない。検察と国税庁はペーパーカンパニーの用途は何か、入金しようとしていた金はどこにあったどんな金なのか、しっかりと突き止めなければならない。これに先立ち全氏親子が、関連事実を自ら告白するのが正しい。隠した資産があるなら、1ウォンも残さずに出す贖罪の姿勢を示すべきだ。