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年俸7000万でも「自分は中間層の下っ端」 都会ほど激しい相対的剥奪感

年俸7000万でも「自分は中間層の下っ端」 都会ほど激しい相対的剥奪感

Posted March. 18, 2013 03:28,   

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「老後への備えは諦めました。今を諦めるわけにはいかないから」

大企業課長のクォン某さん(36)は小学生の息子と幼稚園児の娘がいる家長だ。税金と年金を払って、毎年手に取る給料は450万ウォン。成果級までを入れると年俸は7000万ウォンに上る。それでもクォンさんは、自分の生活水準については「辛うじて中間層に入れるかどうか」だと話した。

江南(カンナム)地区の子供たちが通う英語幼稚園は想像もできない。貯蓄もできない。子供が中学校や高校に入る未来のことを考えると一層暗澹とした気持ちになる。クォンさんは「教育費だけで月140万ウォンで、食費や通信料、外食費の出費をすると何も残らない。だからと言って子供たちと旅行もできないで、削ってばかりの生活をするわけにもいかないから、老後のことは諦める気持ちで過ごしている」と言った。

クォンさんは、実際にはどの所得階層に属するのだろうか。統計庁の所得順で20%ずつの区間を分けた2012年の所得5分位階級別資料によると、クォンさんは上から2番目の区間である第4分位で、中間層でも上に当たる。第4分位階級の月平均世帯所得は409万〜546万ウォンだった。

●中間層は月収530万ウォンから

韓国人が考えている中間層と上流層の所得基準が高くなった。とくに中間層を「中上」「中中」「中下」に分けたとき、自らを中下だと考えている人がここ10年間で大きく増えた。

韓国リサーチがまとめた2002〜2012年の消費者意識及びライフスタイルデーターによると、2000年は「自分は中下」と回答した人たちの月平均世帯所得は232万ウォンだった。中中は298万ウォン、中上は380万ウォン、上流層は453万ウォンだった。

2012年の調査では、中下と答えた人の月平均世帯所得が418万ウォン、中中は530万ウォン、中上は669万ウォン、上流層は834万ウォンだった。いずれも1.8倍高くなった。

韓国保健社会研究院が昨年8月に発表した報告書によると、中間層の3分の1は自身を低所得層だと、高所得層の80%は自身が中間層だと感じているという。同研究院のキム・ユギョン研究委員は「所得の格差が広がってから個々人が感じる相対的な剥奪感が大きくなったからだ」と説明した。

未来への不安感が上流層の基準を高くしている面もある。会社員のキム・ジウォンさん(32)は「今すぐ職場で首になっても生活の心配がない状態でいてこそ上流層だと考えている。今の会社でいつまで働けるか誰にも断言できない状況下で、いつ切れるか分からない今の所得は大きな意味を持たない」と話した。

●30代の半数以上は「中下以下」

10年間で最も目立つ変化は、30代の認識だ。30代が感じる相対的な剥奪感は全年齢層を通して一番大きい。彼らは20代だった10年前は67.8%が自ら「中中」以上だと考えていた。ところが10年後は、半数以上(51.1%)が「中下」以下だと答えている。

会社員のキム某さん(34)は「20代のときは毎年海外旅行を計画したし、美味しいレストランを探して回るのが楽しみだったが、今はテイクアウトコーヒーさえも気軽に飲めないのが現状だ」と打ち明けた。キムさんは、大企業に就職すれば「中上」層の生活ができると思っていたが、結婚とともに賃貸マンションを探しながら考え方が変わった。

「マンション賃貸保証金として融資を受けた5000万ウォンを返済するため2年間、頑張ってお金を集めたけど、マンション賃貸保証金が、ちょうどそのくらい値上がりしたんです。借金が全く減らないのです。やりたいことも我慢しているのに、何のために働いているのか分かりません」

専門家たちは、豊かな時代に生まれた30代が結婚をして家庭を作りながら、独身のときの消費水準を維持できなくなると相対的に「経済的な身分の下落」を感じているものと分析される。1990年代中・後半に大学を通った現在の30代は、有名ブランド品などの消費を通じてそれぞれの存在感をアピールした「X世代」に分類される。

ソウル大学の郭錦珠(クァク・クムジュ)心理学科教授は「若いときは親が子供への投資を優先しているため、貧困層や中上層と外観上大きな違いがないが、20、30代になって友達や同僚たちとの差が確認されると、大きな剥奪感を感じるしかない」とし「消費の時代に生まれた若者世代ほど剥奪感はさらに大きく感じられ、今後国家的な『主観的福祉感』として現れるだろう」と分析した。

先進国でも状況は似ている。LG経済研究院のイ・ジピョン首席研究委員は、「不況と就職問題は世界的な問題で、隣国日本の若者たちも未来への不安感で苦しんでいる。ただ韓国の若者たちには、不動産関連の問題がさらにのしかかっている」と話した。

●所得高い都市ほど強く感じる剥奪感

地域別には蔚山(ウルサン)とソウルで自ら「中下」だと答えた人がここ10年間で目立って増えた。蔚山とソウルは全国平均世帯所得が1、2位の都市だ。平均所得が高いほど相対的な剥奪感が強く感じていることが分かる。

10年前は蔚山居住回答者の56.1%が自らを「中中」だとしたが、2012年には55.1%が「中下」だと答えた。「中下」は10年間で20.6ポイント増えた。ソウルでは中中の割合が20.4ポイント減少した反面、中下は13.4ポイント増加した。一方、光州(クァンジュ)と釜山(プサン)ではこの10年間、相対的に変動幅が小さかった。

韓国行政研究院のソ・ヨンソク社会統合研究部長は「個人が感じる相対的剥奪感は、ネットや周辺状況を通じて他人と自分を赤裸々に比較するとき特に大きく感じる」と話した。



kimhs@donga.com