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[オピニオン] 大統領とファースト・ドッグ 

[オピニオン] 大統領とファースト・ドッグ 

Posted February. 27, 2013 03:57,   

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住所:米ワシントンDCのペンシルベニア・エバニュー1600番地。1日の日課:徹底したセキュリティを誇る広々とした家と事務室を勝手に歩き回ること。退屈だったら、時々庭を散策したり、畑で育つ有機トマトを取って食べること。職業の長所と短所:休暇の度に専用機に乗って有名な休養地を訪れること。その代わり大衆の関心と人気を一身に受けるので、小さなミスや事件も全てマスコミに露出されるなど、プライバシーの保護を期待し難い。

◆主人公は今ホワイトハウスで暮らしているポルトガル・ウォーター・ドッグ血統の犬「ボ(Bo)」だ。大統領の家族を「ファーストファミリー」、大統領夫人を「ファーストレディー」と表現するように、「ボ」は大統領のペットという意味で「ファースト・ドッグ」と呼ばれる。権力を握る代わりに孤立した生き方をするしかない歴代大統領は犬をそばにおいて寂しい心を慰めてもらった。「ファースト・ドッグ:米国の大統領と彼らの最も仲良しの友だち」という本によると、歴代大統領の中で半分以上が在任中にペットを飼った。ペットは大統領に心の安定感だけを与えるわけではない。強い力を持った最高統治者を親近で人間味あふれる人に見せる「イメージメーカー」の役割も立派に全うする。

◆32代フランクリン・ルーズベルト大統領のペットへの愛情は格別だった。同氏は普段「私の悪口を言うのも妻のエレノアの悪口を言うのもかまわないが、愛犬のファーラの悪口だけは言うな」と話した。ファーラはルーズベルト記念館に銅像として残って今も飼い主のそばを守っている。41代大統領のジョージ・ブッシュの犬「ミリー」は、「歴史上最も多い慈善基金を集めた犬」に記録される。バーバラ・ブッシュ氏が書いた「ミリーの本」がブッシュ大統領の自叙伝よりたくさん売れたおかげだ。ビル・クリントン大統領が飼った「バディ」の生涯はウィキペディアにまで乗っている。韓国では金大中(キム・デジュン)大統領が北朝鮮からプレゼントされた豊山犬の「ウリ」「トゥリ」、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が飼っていた「ヌリ」、李明博(イ・ミョンバク)大統領が大事にしているという珍島犬の「チョンドリ」がファースト・ドッグの系譜を引き継いできた。

◆きのう、大統領府に新しいファースト・ドッグが入城した。朴槿恵(パク・グンヘ)大統領が三成洞(サムソンドン)の私邸を離れる時に隣人らがプレゼントした生後2ヵ月になった珍島犬1対だ。子犬を抱いて明るく笑っている大統領の顔が嬉しそうだった。1970年代大統領府で飼っていた「バンウリ」、弟のジマン氏がプレゼントした珍島犬の「ボンダリ」「ボンスクイ」ら、新大統領の犬への愛情は特別だとよく知られている。最近は人と共に生きていく犬を「伴侶犬」と呼ぶ。黙々と飼い主の言葉を聞き、そばを守る人生の同伴者という意味だ。独り暮らしの大統領が寂しくて大変な時、犬たちが少しでも余裕と幸せを与える頼もしい家族になってほしいものだ。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com