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[オピニオン]正直な企業

Posted January. 22, 2013 07:18,   

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企業家の新年の挨拶にも流行がある。企業環境や経営トレンドが変わるからだ。1970年代や80年代は、新年の目標に、「○○業界のトップになろう」という形の「成果励まし型」表現が多かった。1997年の通貨危機後は、「グローバルスタンダード」という言葉が流行った。00年代に入ってからは、「世界一流企業」、「グローバル先導企業」という言葉が目立った。最近は、「企業の社会的責任」が大きな流れとなっている。昨年、三星(サムスン)電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長が、「愛される企業」を話題に投げかけたのが代表的だ。

◆世界の経済危機後、企業や金融会社の貪欲さを監視する目つきが鋭くなっている。外部の圧力だけでは利益を追い求める企業を変えるのに限界がある。しかし、「変わらなければ死ぬ」ことになれば、話は違う。米ベントリー大学のラジェンドラ・シソディア教授が、社会的責任を果たす「愛される企業」28社について分析した結果、興味深い結果が分かった。大々的なマーケティングをしなくても、ライバル企業の2倍もある収益を上げていた。マーケティングの大物である米ノースウェスタン大学・ケロッグ経営大学院のフィリップ・コトラー碩座教授はさらに付け加えて、将来的には社会的責任を果たす正直な企業こそ生き残ることができると言い切った。

◆東亜(トンア)日報が、ソウル女子大・正直経営センター、リサーチアンドリサーチ(R&R)と共に調査したところ、市民が考える「韓国の正直な企業」は、売上げや社会貢献支出費用とは、順位の面で大きな違いを見せた。数十年間所信を持って地道に社会貢献活動を繰り広げてきた柳韓(ユハン)キンバリー、郵政事業本部(郵便局の宅配)、韓国ヤクルトなどの中堅企業が1〜3位に付けられた。その場限りのイベントや金だけをつぎ込むだけでは正直な企業のイメージを築くことができないことが確認された。韓国生産性本部が昨年、国内民家院企業や公共機関327社について調査した結果も、国内民間企業各社とフォーチュン誌選定上位500企業の売上げ比社会貢献支出は大きな差が無かった。どれぐらい使うかよりは、どのように使うかによって知名度が変わるという意味だ。

◆環境にやさしいアウトドアブランド「パタゴニア」の設立者、イボン・シュイナードは、「死んだ星ではいかなるビジネスも成り立たない」と語った。企業の本領は、利益追求を通じて雇用を創出し、税金を納めることではあるが、社会や下請会社、投資家、従業員、顧客などの利害関係者と共栄しなければ、企業そのものは生き残れないという意味だ。問題はバランスだ。企業がいくら社会貢献活動をしても、競争力が足りず、雇用を作り出すことができず、廃業することになれば、社会により大きな被害を与えるだけだ。最近、企業各社が、金を寄付するよりは貧困や水不足、健康などの社会問題を解決し、収益も上げる「共有価値創出(Creating Shared Value)」モデルに注目するのもこのためだ。

朴湧(バク・ヨン)論説委員 parky@donga.com