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文・安両氏が候補一本化睨んでチキンゲーム、安氏の計算尽くし対応目立つ

文・安両氏が候補一本化睨んでチキンゲーム、安氏の計算尽くし対応目立つ

Posted October. 13, 2012 07:14,   

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「すでに川を渡った。そして渡ってきた橋を燃やした」。無所属大統領候補の安哲秀(アン・チョルス)氏が先月25日、「大統領選レースを完走するのか」という質問に答えた発言だ。それから数日後は「ソウル大学教授も、AhnLab理事会議長も投げ出した」「燃やした、渡ってきた橋を二度と振り返ることなく、来る未来の橋を作っていく」とも話した。

こうした発言を巡って、自身に向けられている「途中辞退説」に対し、安氏として即興的に返したものだという見方がある。だがゲーム理論(game theory)の専門家は、こうした発言が今後、文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補との候補一本化で有利な位置に立つため、綿密に計算された戦略的な対応だと評価した。

専門家らによると、両氏の候補一本化ゲームは、今年5月、文氏の先手で始まった。当時、野党陣営の候補一本化を巡ってイニシアチブを握っていた文氏は、政党の基盤を持たない安氏に、政権交代を前提にした「共同政府論」を提案し「最終通告ゲーム(ultimattum game)」をしかけたという。提案を呑めば安氏としては一部でも得るものがあるが、受け入れなければ共倒れになりかねないというメッセージが含んだ布石だったという。

それから4ヵ月後に、安氏は「橋を燃やした」と話した。専門家らは、この発言は、安氏の支持者や朴槿恵(パク・グンヘ)セヌリ党候補ではなく、文氏に向けられたものだと解釈した。文氏より高い支持率に自信をつけた安氏は、「自分は辞退しない。だから候補一本化をしたいのなら、あなたが先に譲歩しろ」というメッセージを伝えたものだという。

専門家らは、安氏の発言がゲーム理論の中で「渡った橋燃やす(burning the bridge behind)」行為に当たると説明した。自ら退路を断ち、敵に「背水の陣」を張っていることを示すことで、敵の士気を落とす戦略だ。延世(ヨンセ)大学のハン・スング経済学科教授は「安候補の発言は、ずばりゲーム理論に符合している。彼も、この理論のことを承知の上で話しただろう」と分析した。

野党の候補一本化ゲームに限って言うと、朴候補は部外者である。大統領選レースで世論の関心が二人の出方に注がれている状況には気が抜けられない。支持率の推移を見ると、どちらかに候補一本化が実現する場合、朴氏としても勝利の保証はない。朴候補陣営は、両氏が双方の譲歩を期待して正面から突進する「チキンゲー」をして、合意に至らず、3候補で投票日を迎えるシナリオに期待をかけるほかない。

東亜(トンア)日報は、経済、経営、数学、政治分野の専門家らとともに、現在の選挙情勢をゲーム理論で紐解いてみた。500万票の圧倒的な票差で勝者が決まった5年前とは違い、今回は複雑なゲーム構図の中で各候補の対応次第で結果が決まるだろうという見方が有力だ。専門家らは「投票日が迫ってくるほど、一手を巡る各陣営の読みは厳しさを増してくるだろう」と話した。



jarrett@donga.com january@donga.com