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[オピニオン]養子のペルラン長官

Posted May. 19, 2012 08:42,   

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韓国は、経済開発協力機構(OECD)加盟国のうち、恥ずかしくも孤児輸出国1位だ。年度別統計では、数年前から中国、インドなどの人口大国に1位の座を明け渡したが、人口比率で見れば依然として世界1位だ。韓国戦争後、これまで公式・非公式で約20万人以上の孤児が海外に養子縁組されたと推定される。1950年代は養子縁組の大半が戦争孤児だったが、その後、主に未婚の女性の子供が養子縁組された。

◆韓国の子供の海外養子縁組の累積統計を見ると、米国への養子縁組が最も多い。その次が欧州だ。欧州の国家ではフランスが最も多い。海外の韓国人養子からフランスで初の長官が誕生した。フルール・ペルラン産業・エネルギー・デジタル経済担当相だ。韓国名キム・ジョンスク。生後6ヵ月でフランスに送られた。国立行政学院(ENA)を卒業し、最上位の卒業生が入る監査院で働いた。ペルラン氏は、捨てられた子供という劣等感を「重要なことは偶然に起きる」という考え方で克服した。スティーブ・ジョブスの親の話のように、捨てられた子供ではなく選択された子供という認識が重要だ。

◆欧州はアジア系に米国より排他的な所だ。そのため、米国と違って韓国人同胞2、3世よりも自国とは関係を断った養子の方が、彼らの社会に入り込むのが容易だ。2009年、ドイツでベトナム養子のフィリップ・レスラー氏が保健相に入閣し話題になった。レスラー氏は、ドイツ初の非欧州系閣僚だった。フランスでは、2007年のサルコジ大統領の就任後、ラシダ・ダティ法務相が北アフリカ出身では初めて入閣した。アジア系は今回の韓国系長官が初めて。

◆成功した養子縁組の陰には失敗したはるかに多くの養子縁組がある。実話を基にした映画「スーザン・ブリンクのアリラン」で、韓国からスウェーデンに養子縁組されたスーザンは、弟から「この中国の子供とは一緒に住めない」と言われながら育った。ペルラン氏は、「私は切れ長の目だが能力がある」と言うしっかりした女性だ。フランスのメディアは、「とげのあるバラ」と表現した。ペルラン氏の成功は、歯をくいしばって生きてきた結果だ。欧州の韓国人養子の中には、適応できず社会の落伍者になる者が少なくなく、命まで断つケースもある。ペルラン氏のように成功しなくてもいい。慣れない地でただ平凡に生きてくれることだけでも有難いことだ。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員pisong@donga.com