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[オピニオン]金正恩の対南命令1号

Posted January. 09, 2012 07:45,   

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案の定、北朝鮮の韓国選挙介入の動きが再開している。北朝鮮の対南機構である反帝民族民主戦線は1日、「救国戦線」に掲載した新年社説で、「進歩勢力の大団結をより高い水準で成し遂げ、今年の総選挙と大統領選挙で韓国政府に決定的な敗北をもたらさなければならない」と主張したことが確認された。昨年12月19日の金正日(キム・ジョンイル)総書記の死亡発表当日の「軍訓練中断指示」が3代世襲後継者の金正恩(キム・ジョンウン)氏の「軍命令1号」なら、救国戦線の韓国選挙介入社説は、金正恩氏の「対南命令1号」と言える。

◆飢えを逃れて脱北する人々を容赦なく銃殺し、自分たちの体制維持だけのために住民を恐怖に追い込む北朝鮮政権勢力が「進歩の価値」を口にするとは、おこがましいことこの上ない。世界が嘲笑する3代世襲を行い、有権者が自由に指導者を選択する韓国の選挙に介入することも片腹痛い。北朝鮮は、労働新聞などに掲載した新年共同社説でも、「南朝鮮で事大売国策動を壊すための大衆的闘争の火をつけなければならない」と扇動した。中国に自分たちの体制安全をもの乞いし、依存することこそ事大売国なのだが…。

◆北朝鮮は、「韓半島の主体思想化と共産主義社会建設」を達成するという目標の下、長年に渡って対南選挙闘争を図ってきた。昨年10月のソウル市長補欠選挙の介入は一例にすぎない。当時、北朝鮮は、この選挙を民主改革勢力と保守勢力の生死をかけた戦いと規定し、「腐敗の頭(羅卿瑗)がソウル市長になれば、市民の過半数である庶民が、食事もできず、家も失い、仕事も失うことになる」としてハンナラ党候補を執拗に攻撃した。北の住民に「米の飯に肉のスープ」どころか、とうもろこしすら食べさせることができない自分たちの経済失敗から反省しなければならない。

◆にもかかわらず北朝鮮は今年、韓国に自分たちに協力的な政権になるようにするために選挙介入に狂奔するだろう。北朝鮮は、統一戦線部傘下に選挙介入のための秘密組織を稼動している。対南宣伝扇動ウェブサイト「我が民族どうし」は、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)による介入を企てている。日本に居住する親北朝鮮勢力を投票場に動員するための活動も始めた。政府は言葉だけで「選挙介入の遮断」を繰り返すのか。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com