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「衰退する帝国」携帯のノキア、三星にも抜かれた フィンランド経済にも影響

「衰退する帝国」携帯のノキア、三星にも抜かれた フィンランド経済にも影響

Posted July. 23, 2011 07:03,   

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世界最大の携帯フォンメーカーであるフィンランドの代表的企業であるノキアが結局、「王座」から引き下がった。

02年から10年間、四半期別に守ってきたスマートフォンのトップの座から下されたのだ。ノキアは21日(現地時間)、第2四半期(4〜6月)に、スマートフォン1670万台を販売したと明らかにした。昨年同期間と比べれば、34%下がった数値だ。一方、第2四半期の純益が計7兆7486億ウォンと、史上最大の業績を上げたアップルは、アイフォンの販売台数が2420万台に上る。

ノキアは、アップルに続き三星(サムスン)電子にも後れを取っていることが、調査の結果分かった。三星電子は第2四半期に約1800万台を販売したものと見られる。これで、ノキアはスマートフォン市場で、トップの座から瞬く間に真っ逆さまに陥った。

情報技術(IT)の大きな変化に戦略的に対応できなかったノキアの墜落は、様々な点で示唆するところが大きい。一つの企業の没落は、国内経済に大きな影響を及ぼすからだ。ノキアがフィンランド経済で占める割合は、国内総生産の4%から1.6%へと減少した。国家輸出の4分1を占めたノキアが揺らぎ、フィンランド経済全体が揺らいでいる。

●「世界一」の自惚れが危機を招く

ノキアの第2四半期の実績は様々な面で衝撃を与えている。145年の歴史の中で、初めて外国人出身の最高経営者(CEO)、スティーブン・イロップ氏を迎え入れ、全力を上げたものの、結局、第2四半期の営業利益は赤字に転じた。ノキアグループの携帯電話部門の営業利益は昨年第2四半期は9809億ウォンだったが、今年第2四半期は3744億ウォンの営業損失を出した。スマートフォンの販売台数は34%も減少した。

力なく墜落するノキアを見守る国内携帯電話業界は、「隔世の感だ」と口をそろえている。国内携帯電話・海外営業担当者は、「ノキアは一時、神話そのものだった」と言い、「世界各地からよい部品を安価で購入するノキアの『供給網管理』モデルは、誰もが追従できるものではなかった。低価格の携帯電話を売っても利益を上げるすごい会社だった」と話した。国内書店には今も、『成功技術ー変化の方法、ノキア』のような本が積み上げられている

「エニコールの神話」を書いた三星電子も、ノキアを乗り越えるのが一時は最大の課題だった。しかし、IDCなどの各市場調査機関は、三星電子が今年、ノキアを抜いて携帯電話でトップの座につくだろうと見込んでいる。

神話だったノキアの没落理由について、「トップの自慢」のせいだという見方が多い。ノキアは1996年にすでに電子メールを送ることのできる初期形態のスマートフォン「コミュニケーター」を発売した。1998年には運営体制(OS)「シンビアン」を出した。自分の競争優位に「選択と集中」をすればよいという経営学会の定説に依存した。しかし、これらの成功法則は、パラダイムが激変した市場では、失敗の原則となってしまった。グーグルのアンドロイドが出たとき、三星は果敢に、自社のOS「バダ」を捨て、グーグルと提携したが、ノキアは、「わが社がトップなのに、どうしてモバイルで存在感の薄かったグーグルと提携をしなければならないのか」と、自社OS「シンビアン」だけに拘った。

延世(ヨンセ)大学経営学部の申東鎏(シン・ドンヨブ)教授は、「ノキアは、アップルが変えたゲームの原則に早く追いつくことができなかった」と語った。

●フィンランドの政治・経済も危機

ノキアは、世界経済の僻地だったフィンランドを、欧州ITのハブへと変身させた。しかし、ノキアはもはや、フィンランドの「悩みの種」になっている。「これこそフィンランド」というフィンランド政府のPRサイトには、「1年前まではノキアが、フィンランド経済成長の中心だったが、今は小さなソフト会社各社が経済をリードしている」と書いている。「小さなソフト会社」の代表作は、世界最高のスマートフォンの人気ゲーム「アングリーバード」だ。

しかし、アングリーバードのようなゲーム産業は、付加価値は高くても、製造業に匹敵するほど雇用効果は高くない。

ノキアはすでに6月末、約7000人に上る人員削減案を発表した。このうち、フィンランドからなくなる働き口だけでも計1400件に上る。納税額も減っている。フィンランド経済研究所によると、07年、13億ユーロ(約1兆9708億ウォン)だったノキアの納税額は、09年は約1億ユーロ(約1516億ウォン)へと減少した。米紙ウォールストリートジャーナルは最近、「ノキアの苦痛がフィンランドの苦痛になった」と報じた。

ノキアとフィンランドとの問題は、他人事ではない。昨年、国内上位1000社の売上高1893兆ウォンのうち、上位10社の売上高は計403兆ウォンと、21.3%を占めた。トップの三星電子の売上高(153兆ウォン)は、国内総生産(GDP=1172兆ウォン)の約13%に上る。カトリック大学・経営学部の金基燦(キム・ギチャン)教授は、「デジタル経済からスマート経済へと移行する過程では、企業生態系の構造が重要になっている」と言い、「もし、三星とLGが崩壊することになれば、韓国は全体産業構造までが揺らぎかねない」と主張した。



kimhs@donga.com