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[オピニオン]パーティママの無罪評決

Posted July. 08, 2011 03:53,   

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米国フロリダ州裁判所の陪審員たちは、2008年6月、生後34ヵ月になった娘、ケイリーちゃんを窒息死させて遺体を遺棄した罪に問われているケーシー・アンソニー被告(25)に無罪を評決した。ケイシー被告は、19歳でシングルマザーとなり、育児はそっちのけにしてナイトクラブを点々しながら自由奔放な生活を送った。娘が行方不明になって1週間が経っても警察に届け出ず、パーティー三昧だったとして「パーティーママ」の異名を得た。行方不明から6ヵ月後に遺骨だけのケイリーちゃんの遺体が発見され、死亡の原因が分からない状態だった。陪審員の一人は、テレビのインタビューで「無罪としたのではなく、証拠が十分でないとしただけだ」と話した。

◆米国社会は、子供を社会的な弱者とみて、徹底的に保護している。自分の子供でも、親が勝手に体罰を加えられない。米国に渡った韓国人の親たちが「愛のムチ」を手に取った瞬間、接近禁止を命じられ、自分の家に入れなくなるという、洒落にならない状況が繰り広げられる。州によって多少の違いはあっても、満12歳になっていない子供を家に一人にさせてもいけない。子供を車の中に1分以上、一人だけにさせるのも禁じられている。パーティーママの無罪評決に対して、米国社会全体が公憤を抱くのも理解できる。

◆女優の妻と内縁の妻を殺害した罪に問われた元アメリカ・フットボール選手のO.J.シンプソンは、刑事裁判では無罪を、民事裁判では有罪の損害賠償を言い渡された。ホテルのメイドに強姦した疑いでドミニク・ストロカーン元国際通貨基金専務理事を逮捕し、世界的に恥をかかせたニューヨーク・マンハッタン検察は、メイドの嘘と前科が次々と判明しジレンマに陥っている。陪審員制と検察官の選出制度がもたらした限界と言う指摘もある。韓国では、08年から試験的に実施している国民参加裁判制度を、13年からは拡大実施する予定だ。米国の陪審員制を必ず導入するべきなのかについては確信がもてない。

◆パーティーママは、法廷で嘘の陳述をしたことが有罪となったが、08年10月以降、2年8ヵ月以上を服役しているため、3年以下の実刑が言い渡されなければ釈放される可能性が高い。同じ罪で二度起訴されない「二重危険の禁止」ルールによって、検察は抗告もできない。弁護団は一昨日、無罪評決を言い渡されると、近くのレストランでシャンパンを開けて祝いのパーティーを開いた。米国の司法制度は、時には納得できないことがある。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com