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KAL機拉致被害者家族会、国連に初めて「強制失踪」申請

KAL機拉致被害者家族会、国連に初めて「強制失踪」申請

Posted June. 10, 2010 07:43,   

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「この申請で国際社会の注目を集め、国内の関心を喚起し、必ず父の生死を知りたい」

69年に北朝鮮にハイジャックされた大韓航空(KAL)機被害者家族会の代表を務めるファン・インチョル氏(43)が9日、国際連合人権理事会(UNHRC)傘下の「強制失踪問題に関する作業部会」に、父親のファン・ウォン氏(ハイジャック当時32歳)の問題を申請した。行方不明者や拉致被害者を救出するために設置された国連作業部会に、国内の拉致問題を申請したのは初めて。

江陵(カンヌン)MBC(当時・嶺東MBC)のプロデューサーだったファン氏の父親は、69年12月11日午後12時25分、乗務員4人と乗客47人を乗せて江陵を出発しソウルへ向かう飛行機に搭乗して、北朝鮮のスパイに拉致された。

この事件が伝えられ、国際的な非難を受けた北朝鮮は、66日後に乗客39人(スパイ1人を除く)を解放したが、乗務員4人全員とファン氏の父親を含む乗客7人の11人は抑留された。41年が過ぎた今でも、彼らの生死すら分かっていない。

同日、国連への申請書を手に持ったファン氏は、万感こみ上げた表情だった。「するべきことは明白だが道が見えず、家は傾き…。本当に目の前が真っ暗になってすべてをあきらめようとした瞬間、道が見えました」。

ファン氏は、04年に北朝鮮の国境線で行方不明になった脱北者のチン・ジョンスク氏を強制失踪者として申請した北朝鮮人権市民連合の助けを受け、6ヵ月間、強制失踪申請書の提出を準備してきた。

北朝鮮人権市民連合の李ヨンファン調査研究チーム長は、「70年代に、アルゼンチンなどの南米の国家でこのような申請が多かった。国連は強制失踪に関しアルゼンチンの責任を問う公式発表をした」と話した。

申請書が受け付けられれば、国連作業部会は、強制失踪の加害者側の政府、機関に説明要請書を送る。要請書を受け取れば、6ヵ月以内に返答を送らなければならない。説明が十分でなければ、国連は要請を続け、人権報告書などに北朝鮮が国連の人道的な要請に応じないという内容を盛り込み、北朝鮮が人権後進国であることを強調するなど、圧力をかける効果がある。

ファン氏はこれまで、北朝鮮に拉致された被害者家族の会を結成し、地道に社会的関心を喚起する活動を主導してきた。ファン氏は、「拉致を説明しようが否認しようが、北朝鮮と国際社会がこの問題に注目し、被害者のことを考えること自体が大きな進展だ」と話した。



image@donga.com