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[社説]済州道知事が解任されたら、誰が国策事業を担当するのか

[社説]済州道知事が解任されたら、誰が国策事業を担当するのか

Posted August. 13, 2009 08:29,   

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済州道(チェジュド)では26日に行われる金泰煥(キム・テファン)知事に対するリコール住民投票を控え、賛否運動が盛んだ。済州道は金知事のリコールに必要な有権者3分の1以上の投票率と有効投票の過半数の賛成には満たないものと見込んでいる。たとえ、今回の投票によって、金知事が解任されても、海軍基地の建設まで中止されることはない。しかし、道知事が国策事業を手助けしたことのために、リコール投票によって解任される結果でも出ることになれば、果たしてどの自治体がニンビー(NIMBY=Not In My Back Yard、自分の裏庭にはあって欲しくないの意。迷惑施設への反対)型国策事業を引き受けようとするだろうか。12月に着工予定の海軍基地の工事も相当、支障を来たすものと懸念される。

済州道知事を巡るリコール投票は、住民リコール制度の不合理な問題点を露呈した。住民召還法にはリコール対象行為についての規定がおらず、自治体トップの全ての行為がその対象となりかねない。明白な権限乱用や不適切な政策決定に限らず、正当な権限行使すらいくらでも文句をつけることができるようになっている。「住民召還運動本部」は、金知事が西歸浦市(ソギポシ)の江汀(ガンジョン)村に海軍基地の建設を推進し、「民主的な手続きを無視した」と主張している。しかし、済州道は法律に則って公聴会や世論調査を行った上、国防部や国土海洋部などの関連省庁と覚書(MOU)まで交わした国策事業である。法律に則った手続きを経たのに、有権者10%以上の署名を集め、足を引っ張ることが可能となれば、国策事業の安定的な推進は難しくなる。07年、公益火葬場を誘致しようとした金晃植(キム・ファンシク)河南(ハナム)市長に対する住民投票においても、同様の問題が明らかになったが、投票率が足りず(31.3%)、リコールできずに終わった。済州道知事に対するリコール投票をきっかけに、住民召還法の改正議論が本格的に行われるべきだという意見が説得力を得ている。

金知事側は、リコール投票を巡る賛否運動が、来年の地方選挙の前哨戦の様相を表していると主張している。

李明博(イ・ミョンバク)大統領は07年の大統領選挙で、「観光美港の機能を持つ済州海軍基地の建設」を公約に掲げたことがある。李大統領は先月1日、「国策事業を実施する知事を住民がリコールすることは望ましくないと思う」と語ったが、リコール投票が公示されてからも、政府では手を拱いている。政府は、済州道知事に対するリコール投票において、地方選挙の事前選挙運動を行ったり、選挙日に住民を組織的に動員したりするような不法運動に対しては、強く取り締まるべきだ。

済州海軍基地は、国家安保や海上輸送ルートの確保と直結する国の戦略的な事業であり、滞りなく進められるべきだ。何よりも、政府の確固たる意志が重要だ。