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[オピニオン]入試塾には無用な取り締まり

[オピニオン]入試塾には無用な取り締まり

Posted July. 10, 2009 07:35,   

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「入試塾への取り締まり=私教育費の削減」という対策をまとめた高官は、子供を塾に通わせたことが果たしてあるだろうか。留学中に出産した子供なら、留学先の市民権をすでに取得しており、いつでもその気さえあれば留学に行くことができ、韓国内の塾に拘る必要はないだろう。市民権がなくても、「富裕層内閣」の子供らにふさわしく、国際的な経験を積んでおり、韓国内外の大学入学査定官に気に入られやすいだろう。家庭教師から教わったり、社会・経済的にも似ている友達が集まり、グループで課外授業を受けているかも知れない。そうでもなければ、かりそめにも高官といわれる人物らが、私教育を抑制するという、世情に疎い規制をまとめるはずがない。

◆取り締まり初日の7日、入試塾が立ち並ぶソウル江南区大峙洞(カンナムグ・デチドン)。午後10時になると、生徒らは塾から一挙に出され、各塾は明かりを消した。深夜取締りに乗り出した教育庁関係者らだけが、無駄骨を折った。彼らの無用な仕事にかかる金は、国民の税金から出ている。「子供らの勉強をなぜ邪魔するのか」という保護者からの抗議に対応するため、各塾では深夜クラスの代わりに、週末クラスや未明クラスの編成に乗り出した。オフィステル(住居と事務所兼用の施設)の建物を借り、午後10時までは塾で、その後は各部屋でグループで課外授業を行う「都心型寄宿塾」も増える兆しを見せている。

◆すごい剣幕だった全斗煥(チョン・ドゥファン)軍事政権も、結局、お手上げだった大韓民国の私教育である。1980年、課外授業を全面禁止すると、大学生らによる「闇バイト」が盛んに行われた。今、米国では韓国型塾が人気を集めるほど、韓国の私教育の競争力は世界的なレベルに達している。修学能力試験(日本のセンター試験に該当)の科目数を減らせば、英語や数学の塾に、生徒らが詰め掛けるのは目に見えている。大学入試制度を変え、じゃんけんで決めることになれば、じゃんけんを教える塾ができるだろうと、ある塾の講師は自信あり気に語った。公教育が私教育に後れを取っている限り、他人よりリードしたいという熱望がある限り、いかなる独裁者であれ、私教育をなくすことはできない。

◆いっそのこと、塾を学校に転換させ、「塾型学校」を作るのはどうだろうか。そうすれば、昼間に学校に行き、無用な時間をつぶさなくても済むことになり、塾における深夜教習は減ることになるだろう。外国では、このようなやり方で運営される私立学校や自律学校、実験学校が実際存在している。また、学校ごとに「1打講師(科目ごとの最高人気講師を意味する塾街での隠語)を育成するなど、学校を塾化する案もあるだろう。そうなれば、子供らを塾に通わせなくても済むことになる。公務員らが塾への取り締まりを行う無用な時間やエネルギーを、学校への取り締まりや全国教職員労働組合の再編にかけるなら、我々の教育は生まれ変わることになるだろう。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com