Go to contents

[オピニオン]ソウル大学の奨励図書

Posted June. 27, 2008 03:14,   

한국어

先週、ソウル大学中央図書館がこの1年間の図書ごとの貸し出しの頻度を集計した結果、日本のコミック小説の『空中ブランコ』(奥田英朗作)がトップだったという。2位の金靛(キム・フン)の『南漢山城』をはじめ、1˜10位に入った本はすべて小説や気軽なエッセイ集だった。ソウル大学基礎教育院は、「学生たちが専攻・教養書籍よりは小説を気軽に借りたための結果のようだ」としながらも、学生らが古典の読書から目をそらす現実を懸念した。

◆古典を嫌う現象は最近の出来事ではない。1980年代初頭もソウル大学図書館の貸し出しのトップは中国人作家「金庸」の武術小説の『天龍八部』だったため、ちょっとした騒ぎとなった。その時の学生たちは専攻書籍よりは社会科学の本を多く読んでいた。頭の痛い社会科学関連書籍を読む合間に、頭のリフレッシュとして、たまに武術小説を読んだ学生もいただろう。ともあれ、「古典とは誰もが必ず読まなければならない本だといわれているが、実は誰も読みたがらない本だ」と話したマーク・トウェインは正論だったようだ。

◆しかし大学生らが主に小説本ばかり読みつづけるのかと、問題の深刻さに気づいたソウル大学では古典読書を奨励する案をまとめた。05年発表した「ソウル大学勧奨図書100選」を読むよう、学校での授業やホームページでのクイズ、討論などを通じて積極的に奨励することにした。ついでに、ソウル大学の奨励図書100選のリストから、筆者自身は何冊ぐらい読んでいるのかをチェックしてみたところ、20冊だった。それさえ、高校や大学時代に読んだのがほとんどだった。いい本を読むのに年は関係ないと言われるかもしれないが、やはり若い時代に古典を読まないと、後になったさらに大変なことになる。

◆ソウル大学の奨励図書に必死になっているところは、また別にある。ほかならぬ論述塾や受験生たちだ。奨励図書に論述問題が多く含まれているから、分かるような気もする。06年、鐘路(チョンノ)学院が全国の主要18大学の7年間の論述試験の提示文を分析した結果、『莊子』が7回の出題でトップにつけられた。奨励図書に含まれた孔子の『論語』やアリストテレスの『二コマコス倫理学』、孟子の『孟子』は論述試験の定番出題で2、3、4位を記録した。大学に入るために古典を読むことも、読まないよりはましだが、「本の中に道がある」という言葉は一生の名言ではないかと思われる。

鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com