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[オピニオン]風水墓

Posted November. 07, 2007 07:24,   

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70代の老人が、風水専門家のアドバイスに従って、先祖の墓をより運気のいい場所に改葬した。祖父や曽祖父を含む直系祖先の墓9基を、親を祀った墓地に移して改葬した。韓国ではそれほどめずらしいことではない。「死」を意識せざるをえない70代の子孫は、先祖をよりよい場所に祀ったと思い、満足する。

◆70代の老人が大統領をねらう政治家なら、話は違ってくる。先祖への孝ではなく、あらゆる手段を使って権力を手にしようとする野心に満ちた人と映る。李会昌(イ・フェチャン、72)元ハンナラ党総裁が今、そのような印象を与えている。氏に風水のアドバイスをした専門家は、「李元総裁が今回先祖を祀った場所は、一族の中から王が出る可能性のあるすばらしい墓地」とまで話している。金大中(キム・テジュン)前大統領が大統領選挙前に先祖の墓を改葬後、4度目の挑戦で成功したという先例もある。李元総裁は当時、金前大統領の「大統領病」を非難したが、いまや自分が非難の的になりつつある。

◆占い師や風水専門家の「予言」に候補たちが一喜一憂する姿は、韓国の大統領選挙ではおなじみの風景だ。李明博(イ・ミョンバク)ハンナラ党候補が引っ越しの計画を取りやめた理由に「今住んでいる自宅の風水がいい」という風水専門家の話を挙げた側近がいた。大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補の側近も、たびたび、早くから鄭候補の党内予備選勝利を予言した50代の男性占い師の話をしているらしい。敬けんなキリスト教徒とカトリック信者である両氏がこの有様では、宗教を持たない候補たちの姿は想像にあまりある。

◆最近、街角や地下街にまで、露店のような形で営業する占い師が急増している。渡来モノのタロット占いに心を奪われる若者も多い。しかし、21世紀という新時代に先祖の恩恵や占い師の予言に頼ろうとする人に「政事(まつりごと)」を預けたいと思う国民がどれほどいるのか、疑問だ。今日、李元総裁が出馬宣言でいくらもっともらしい名分を口にしても、多くの国民には「改葬した先祖の風水墓の恩恵にあやかりたい」と聞こえるのではないだろうか。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com