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[オピニオン]三足烏

Posted January. 17, 2006 03:59,   

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三本足の烏、三足烏(三足烏)は、高句麗(コグリョ)古墳壁画に描かれている。龍や鳳凰のような想像の動物で、「太陽」を象徴する。古代北東アジアの太陽崇拝思想とシャーマニズムが生んだものだとされる。空を横切って動く太陽、その動力を、空を飛ぶ鳥と結びつける発想は、北東アジアだけにあったわけではない。日の中に鳥がいるとか、日を運ぶのは神聖な鳥だとか信じられた。B.C.4000年の中国の仰韶土器にも三足烏が描かれ、遠くエジプトにも類似の神話がある。

◆日本代表サッカー選手のユニホームには、三足烏が描かれている。三足烏は、1930年代から日本サッカー協会の象徴として、代表チームのエンブレムになった。日本に近代サッカーを普及させた中村覚之助という人物を称えるためだという。彼の故郷である和歌山の熊野神社に描かれている烏に倣ったシンボルだ。その烏が、羽だけで150cmにもなる神話の中の「ヤタガラス」だ。

◆ヤタガラスは、日本神話に天皇の軍の案内役として現れる。建国の神とされる神武天皇が東征に発つ時、烏が道案内をしたというのだ。日本の右翼団体の象徴の旗にも、三本足のヤタガラスがりつ然と描かれている。天皇の護衛軍を自任する右翼らしい発想だ。右翼は、天照大神という太陽を象徴する開国の神を崇めるのだから、ヤタガラスこそ彼らにぴったりのシンボルかもしれない。

◆行政自治部は、ひびの入った国璽(国の印章)を新たに作るさい、三足烏を刻むことを検討している。鳳凰や龍、百虎よりも、三足烏を勧める意見が多いという。三足烏は、高麗、朝鮮に伝わりながら、二本足の朱雀にイメージが変わった。このため、日本のヤタガラスとは性格が異なる。しかし、烏は現代人に、神聖かつ親しみのあるイメージの鳥ではない。狡猾で攻撃的で、ゴミ箱をあさる悪者のイメージだ。イメージはおくとしても、三本足の突然変異の「フュージョン鳥」をあえて国璽に刻む必要はないのではないか。

金忠植(キム・チュンシク)論説委員 skim@donga.com