今回の行事は、世界80余りの国から1200人あまり人が参加し、未来社会を見通す未来学部門では最大の行事だ。
国家レベルの未来予測作業に一番積極的なのは米国だ。
米中央情報局(CIA)は、「2010年報告書」を1997年に出した。さらに03年末には「2015年報告書」、昨年末には「2020年報告書」をそれぞれ発表した。CIAの未来予測報告書は、世界的に最高の権威を認められている。
米国は連邦政府だけでなく州政府でも未来予測のための常設機構を置いている。
今回の会議ではケンタッキー州・長期政策研究センターが州レベルの技術発展予測と環境問題、それに対応する州政府の役目と予算を発表した。2年に一度の割合で出している報告書には、アンケート調査と各種統計の分析、シナリオ分析、事例研究、フォーラムなど先端の未来予測手法が動員される。
英国やオーストラリアも、国家レベルで未来を見通した報告書をまとめて発表した。オーストラリアは2020年までを予測しており、英国は2050年までび見通しをまとめた。ドイツでは、民間企業のバスフが2015年までを精緻に予測して作成した事業計画を発表した。
これに対して韓国は、科学技術部が2030年までの技術発展の未来像を予測した報告書が、ほとんど唯一と言える政府レベルの未来報告書だ。マクロ的な視点から社会像の多様な変化と戦略をまとめた報告書はどこにも見当たらない。
シカゴ世界未来会議に参加した在韓オーストラリア大使館の朴英淑(パク・ヨンスク)文化公報室長は、「先進国は政府が全面に出て未来を予測し、戦略を立てているのに比べて、韓国は過去にだけエネルギーを消耗しているようで残念だ。国民が未来の変化に備えられるように予測することは政府の義務だ」と指摘した。
しかも、南北統一後の韓国社会がどのように変わるのかについての予測が、全く行われていないことも問題に挙げられている。
韓国科学技術評価院(KISTEP)の朴炳垣(パク・ビョンワン)副研究委員は、「半島の南北統一は今後、韓国社会で発生する一番重要で影響力の大きい事件なのに、統一後の変化について誰も答えられていない。準備ができていないまま統一を迎えると、混乱が起きる可能性が高い」と憂慮した。
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