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「一緒に笑い一緒に悲しむ家族を描きました」

「一緒に笑い一緒に悲しむ家族を描きました」

Posted June. 06, 2005 06:37,   

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「(ドラマを撮っている間)5年半前に失った息子が、とても懐かしかったです。でも、心を抑えながら撮りました」

30%前後の視聴率を記録するほど視聴者から愛されてきたKBS第2テレビの週末ドラマ『両親への手紙』(シナリオ金スヒョン・演出チョン・ウルヨン)が5日、終映した。

昨年10月16日に放映を始めた同ドラマは、刺激的な素材や設定はなく、退職を控えた教頭先生のアン・ジェヒョ夫婦と4人の子供たちが、生きて行く上でのこまごまとした家族の出来事を通じて、多くの人々に家族の大切さと人間愛の暖かさを感じさせたという評価を受けた。作家の金スヒョンの卓越した能力が、さらに輝いたという声も聞かれる。

温かさの中心はタレントのソン・ジェホ(66)さんが熱演した「アン教頭」。裏山に埋葬されている両親に、毎晩のように手紙を書くアン教頭は、家族問題を解決する求心点だ。00年1月末、末の息子を交通事故で失ったソンさんは、ドラマを撮っている間中、息子さんと幼い頃亡くなったお父さんを思い出しながら、家族の意味を深く考えたという。

「終映して名残惜しいです。もうちょっと続けても良かったのですが…。周りから、ドラマ『田園日記』のようなスタイルで続けて欲しいともよく言われました」。

彼は、このドラマの成功要因は、多くの現代人に、長い間わすれていた家族の意味を反芻させた点だと言った。

「劇の中での、末っ子ソンミ(李ユリ)と三男チョンファン(李ドンウク)の対話を覚えてますか。ソンミが結婚のため親に嘘を付くと、チョンファンが、「うちの兄弟がすることじゃないじゃないか」と言います。それこそが家族構成員の間に存在する『信頼』を意味するのです」。

彼は、この社会がそのような家族の姿をますます失いつつあるのが残念だと言った。

「核家族に分裂する前、おおよそ1950年代頃の家族の姿ではないでしょうか。私たちが生きて行くなかで忘れられていった部分です。このドラマで、チョンファンがお父さんに叱られるシーンで、チョンファンが先に『ひざまずきましょうか』と言う姿は、若者たちに親子の関係をもう一度考えさせます」。

ソンさんは子供たちが親の言うことに順従なのは、アン教頭が家父長的で権威的な存在であるためでなく、子供たちを愛する心と彼らの話を聞く耳を持ったお父さんだからだと説明した。

「長女のソンシル(金喜愛)の離婚問題、ソンミの婚約破棄など問題が生じるたびに、子供たちはお父さんに相談を持ちかけます。問題があっても一人で悩むこの頃の世代が懐かしがる、そのような忘れかけた父親像ではないでしょうか」。

ソンさんは、「他の家族ドラマや金スヒョン作家の『銭湯の人々(1995年)』、『愛は何なんだ』(1992年)でのお父さんは権威的なお父さんだったが、アン教頭は暖かい包容力で子たちを抱き締め、権威よりははっきりしたルールを作り、そのルールの中で包容する父親だった」と強調した。彼は自分の家族の話も付け加えた。

「韓国戦争の時、父に死なれて、その後、母も世を去りました。(数十年も前のことなので)父の姿を思い浮かばせながら演技したのではありません。なのに、結婚した娘たちは、ドラマでの姿が家での私に似ていたと言ってくれました。父親としては嬉しかったです」。



zozo@donga.com