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洋弓代表、バーチャル訓練で五輪席巻狙う!

洋弓代表、バーチャル訓練で五輪席巻狙う!

Posted March. 30, 2004 00:24,   

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2004アテネ五輪女子アーチェリー個人決勝戦。

イタリアのチャンピオン、ナタリア・バリバと対戦する尹美進(ユン・ミジン、21、慶煕大)はあと一歩を残していた。10点を取れば待望の金メダル。第1回近代五輪が行なわれた五輪の発祥地、パナティナイコ・スタジアムに集まった4万5000人の観衆は一斉に固唾を飲んだ。

深く呼吸をして弦を引いた尹美進。風を切って飛んで行った矢は正確に標的の真ん中を撃ち抜いた。「X10」。韓国スポーツ史上初めて、五輪2冠王の2連覇を達成した尹美進の子供っぽい顔にニッコリと微笑みが広がった。

「よくやった。」隣に立っていたソ・オソク女子代表チーム監督の一言に尹美進はHMD(Head Mount Display、検索センサーが付いていて、画像を表示する特殊眼鏡)を外した。パナティナイコ・スタジアムも、4万5000人の観衆の歓呼もその瞬間消えた。いわゆるVR(Virtual Reality、バーチャルリアリティー)訓練だ。

このように画期的な訓練が5月末から実際に繰り広げられる。「バーチャルリアリティー訓練」は世界最強の韓国アーチェリー国家代表チームが8月に開かれるアテネ五輪で男女個人、団体戦の全種目席巻を狙って極秘裏に準備された「切り札」。

飛行機の操縦士が模型シミュレーションで実際状況を演出して飛行操縦訓練を受けるように、プログラムを入力すればアテネのアーチェリー競技場の中で、数万名の観衆が歓呼する中で、実際に試合を行なう場面が目の前に広がる。

これまで代表選手らはコンピューターのパナティナイコ・スタジアムに自分の写真が写っているグラフィックを見ながら、イメージ・トレーニングをやってきた。しかし、平面を見ながら行なうイメージ・トレーニングが2次元的な訓練だとすると、「バーチャルリアリティー」は3次元的な立体訓練だ。

これと合わせて、選手の全てのデータを入力した画期的な選手管理プログラムも開発されて完成段階に入っている。すでに昨年12月に開発されてテスト中の同プログラムは、これまで国家代表選手らが練習ラウンドで射った数千、数万本の矢の正確な弾着点(矢が的に当たった地点)がすべて入力されていると共にバイオリズム、生理・心理状態などさまざまな要因の変化によってどのように成績が上下するかも記録されている。

あるベンチャー企業とともにプログラム開発に取り組んできたチャン・ヨンスル男子チーム監督は、「5年前からこうした体系的な選手管理システムを工夫してきた。他種目の選手管理にも大きく影響するだろう」と話した。実際にアーチェリー代表チームの新しい訓練プログラムの開発が口コミを通じて知られて、泰陵(テルン)選手村に入村中の他の種目のコーチング・スタッフも大きな関心を示している。

アーチェリー協会は最終的な国家代表選抜戦が終わる5月末まで二つのプロジェクトの開発を完了させ、発表会を通じてマスコミに公開する予定だ。

今年2月に赴任してこのプロジェクトを意慾的に進めている新任の李ジュンウ・アーチェリー協会長は、「韓国のアーチェリーは世界トップレベルだが、さらなる記録改善が見られていない。記録を今より一段階引き上げるためには、特別のプログラムが求められる。在任期間中、アーチェリーに『情報技術(IT)産業』を結び付けることに主眼を置く」と話した。



金相洙 ssoo@donga.com