地下にトンネルを掘り、それを利用して米軍部隊の免税ビールを盗み市中に流通させた容疑者たちが税関に摘発された。
ソウル税関によると、ソウル地検は4日、在韓米軍部隊の免税酒(20億ウォン相当)を密搬入したあと、ソウルの輸入品商店に流通させた疑い(関税法269条、密輸罪)で李氏(34)と共犯の米軍部隊売店の支配人ソン氏(48)を拘束した。
ソウル税関は、また二人と組んでビールを市中に流通させた運搬担当者と中間卸人、販売人ら28人を対象に流通ルートと密輸品をさらに調べている。
ソウル税関によると、容疑者たちが犯行場所に選んだのはソウル龍山区漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)の漢南ビレッジ。ここは、龍山米軍基地で勤務する将校たちの家族用に使われている住宅団地で、大韓住宅公社の子会社が運営管理している。
李容疑者は、漢南ビレッジの塀に隣接する5坪ほどの店舗を借りた後、01年11月まではお菓子屋を営み、同12月からはコーヒー専門店「ユーターンエスプレッソ」に改装した。
李容疑者が地下トンネルを掘り始めたのは、01年6月のこと。店舗から米軍部隊売店の品物倉庫に使われているコンテナまでの20mを、つるはしと野戦シャベルで3ヵ月かけて深夜に掘り出した。ソン容疑者も、それに合わせてコンテナーの床に穴を開けておいた。
コーヒー専門店からトンネルまでの深さは1.5m、コンテナの床からトンネルまでは1.2mだった。トンネルの地面にはレールを敷き、トンネルの傾斜を利用してビールを滑らした。
調べによると、二人は01年6月から今年6月25日まで、米国産ビール5万8000箱とワイン4000箱を盗んだ。これは、2.5tトラックの250台分で、20億ウォン相当。運搬担当と卸人を経由して南大門(ナムデムン)と東大門(トンデムン)市場で販売されたという。
関税庁は、容疑者たちの脱税額は12億ウォンに上り、24本入り1箱当たり5000〜6000ウォンの利益を得たものとみている。しかし、李氏らは箱当たり1000ウォンのマージンを取っただけだと主張しているという。
ソウル税関の呉泰泳(オ・テヨン)調査局長は「免税酒類を不法に流通させる事件は、こえまでもしばしばあったが、地下にトンネルを掘ってまでビールを大量にこっそり運び出すという事件は初めてだ。今後、税関と在韓米軍の捜査機関で構成される『韓米合同捜査班』の活動を強化していく方針だ」と述べた。
車志完 cha@donga.com