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心温まる野球映画「YMCA野球団」

Posted September. 26, 2002 22:52,   

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好きだとは言えなくても拒みにくい魅力を持つ人のような映画がたまにある。「YMCA野球団」はそうした魅力はなくても、憎い部分がない、心優しくて朗らかな人のような映画だ。

「YMCA野球団」は、日帝による植民地支配を受けていた1900年代初め、新しい文化の野球を受け入れた韓国初の野球団を素材にした映画。身分と年が異なる人々が集まって、草履を履いて、洗濯棒で球を打っていた時代を、温かいトーンで描いたコミックドラマだ。

勉強より運動が好きな学者、ホチャン(ソン・ガンホ扮)は科挙試験が廃止されるや否や、のんびり過ごしていたが、野球をやる新女性、ジョンリム(金ヘス扮)と宣教師に会ってから、野球の魅力に陥る。ジョンリムが創った「YMCA野球団」のメンバーは、まだ子どもなのに貧しさのため、背負子を負う仕事をやっている双子兄弟、学者、両班(ヤンバン)、作男、商人など、身分と年が全部異なる人々。息子が学者で生きるのを望む父親(シング扮)の期待とは裏腹に、野球団の4番打者になったホチャンをエースに、「YMCA野球団」は連勝行進を続け、最強のチームに躍進する。しかし、乙巳条約締結以降、テロ事件に巻き込まれ、チーム解体の危機に瀕するようになる。

この映画のように時代劇をコメディに生まれ変わらせるのは、簡単な試みではない。とくに、ゆううつだった時代が与えるプレッシャーから逃れて、その時代を笑いのネタにした意図は評価できる。

適材適所に組み込まれたコンピューターグラフィックと特殊効果が漫画のような雰囲気を漂わせるものの、つながりが荒くて、ユーモアとキャラクターが未熟な感じを与える場面もある。コメディと思い込んで期待して見れば、つまらない感じがするかも知れない。しかし、この映画のハイライトの最後の一戦が与える笑いと感動は、こうした弱点を十分に補ってくれる。

主演男優のソン・ガンホの演技は、この映画の中心をしっかり支えている。彼はコミック演技とドラマ的な感動を与える演技の両方で、同様な重さの根性を発揮する。映画、「反則王」に続き、この映画でもソン・ガンホの父親に扮したシン・グ、投手役を務めた金ジュヒョンなど、助演の堅実な演技も目につく。

演出を担当した金ヒョンソク監督は、「愛するのに良い日」、「日が西から昇るんだったら」など野球をネタにしたシナリオを書き続け、監督デビュー作のネタもやはり野球を選んだ、有名な野球マニア。

制作費42億ウォンのうち6億ウォンをかけて、全州任實(チョンジュ・イムシル)に大規模な屋外セットを建て、1905年のファンソン鐘路(チョンノ)通りの景観と、当時の野球場をリアルに再現した。全体観覧可、10月3日封切り。



金熹暻 susanna@donga.com