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DJ拉致事件を再現 韓日映画「ケイティー」

DJ拉致事件を再現 韓日映画「ケイティー」

Posted April. 30, 2002 11:23,   

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今年の全州(ジョンジュ)映画祭の開幕作「ケイティー」は、1973年、日本の東京で実際に起きた「金大中(キム・デジュン)拉致事件」を素材にした、阪本順治監督の韓日合作映画。原作は、この事件を素材にした中薗英助の小説「拉致」。

ところが、映画の導入部の字幕に「金大中役—チェ・イルファ」が4番目に登場することからも分かるように、この映画の主役は金大中ではない。阪本監督は、この映画がドキュメンタリーにならないように、加害者の目線で描いていった。

駐日韓国大使館の公使キム・ジュンゴン(キム・ビョンセ)は、上部からの連絡を受け、韓国中央情報部(KCIA)要員のキム・チャウン(キム・カプス)に、日本滞在中の金大中の暗殺を図る「KTプロジェクト」を進める。日本の旧軍隊復活を夢見るトミタ(佐藤浩市)少佐は、朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領と日本の陸軍士官学校の同期生である上司の命令を受け、KCIAを助け、拉致事件に介入する。

さらに、北朝鮮の工作員と内通する韓国の女子大生、彼女と恋に落ちたトミタ少佐、アイデンティティーの混乱で苦しむ金大中のボディーガードの在日韓国人2世、金大中単独インタビューに成功するしがない日刊紙記者などの話がつづられる。

しかし、緊張感を持たせるためにさまざまなキャラクターを登場させているにもかかわらず、映画はどことなく乾いた感じだ。「金大中拉致事件」は、本人の人生と韓国の政治史においては一線を画すだけの事件であったが、少なくとも韓国の観客にとって「ケイティー」という映画は、人々がすでに知っている(または、知っているつもりの)話を映画化することが、いかに大変なことかを見せてくれる。

「ケイティー」が、今年のベルリン国際映画祭の本選進出作であるという事実も、映画祭進出作と一般観客との距離を、改めて感じさせるものだ。タイトル「ケイティー(KT)」は、プロジェクト名「Killing The Target」の略字。5月3日封切り。15歳以上観覧可。



康秀珍 sjkang@donga.com